高塚の福祉医療センターはなくさないで――見学者の声
市立東松戸病院
すでにお知らせした通り、2月19日高塚新田にある松戸市立福祉医療センター「東松戸病院・介護老人保健施設=梨香苑」の見学会が行われました。見学会に参加した3人の方から、見学の感想が寄せられました。
また、見学者を中心に、この施設の存続を求める声を強く上げて、市にも働きかけて行こうという機運も高まってきています。
「暖かい心」が伝わってきた
高塚新田 K・S 60代女性
入館する見学者たち
福祉医療センターを初めて見学しました。
建物の外観からは、古びて、暗いイメージを受けましたが、実際に中に入ると、中の雰囲気からは、とっても心地よい明るさを感じました。
まず働いている職員の方々の患者さんに対する接し方、四季に応じた室内の飾り付けなどからも、30分の見学の中でとても温かい心が伝わってきました。
患っている者はえてして、心細い思いに陥りがちなものです。その人たちに元気を与えてくれる雰囲気のある、この病院。こんな素晴らしい病院はなくさないで!
「存続」の声を上げていこう!
高塚新田 Y・T 50代男性
「ねぎらう敬う気持ちを忘れずに」と書かれている
私の住んでいる高塚団地の近くにある市立東松戸病院の閉鎖の計画を聞きました。近隣の方々による見学会が催されたので、病院の現状を知るために参加しました。
もう一つの市立病院─国保松戸市立病院とは違ってこの病院が、リハビリ治療など慢性期医療を担っていることや、病院の中に「梨香苑」という介護老人保健施設が併設されていて、病院と連携して手厚いケアを行っていることが分かりました。
これからも高齢者は増えていくのに、閉鎖するというのは全くおかしいことで、存続の声を上げてゆくことが大事だと思いました。
「高齢社会に貢献する医療を実践する」─福祉医療センターはなくさないで!
高塚新田 Y・O 70代男性
洗面所
見学会には30人弱の人が集まりました。見学を呼びかけた方は「急な呼びかけだったのに、こんなに集まってくれて……」と言っておりました。
二つの施設(とは言っても、東松戸病院の4階建ての6号館の1階だけを梨香苑は使用しているだけ)を見学しながら、私の感じたことは、高齢者の患者思いの病院だなということです。トイレや洗面所には、車椅子の入所者が使いやすいような工夫が随所にされていました。
病棟の廊下の柱には「ねぎらう敬う気持ちを忘れずに」という言葉が掲げられていました。これは、この施設の利用者が高齢者が多いことから、このような心がけを当局は求めているのでしょう。すれ違う職員の方たちは私たちにも「こんにちは」をかけて行きます。
お雛様が飾られている談話コーナー
また梨香苑と病棟の所々に、お雛様が飾られていましたし、患者さんの談話するコーナーには、花も飾られていました。これらは、ボランティアの方がやってくれているのだそうです。ボランティアの方は、病棟の中庭の木々や草花の手入れもしてくれているとも。また月1回入所者の髪のカットをするボランティアの方がこの日の見学会に参加しておりました。当局とともにこの施設を育てていきたいというボランティアの方々の熱い思いが伝わってきます。
広い食堂のようなところでは、車椅子に腰かけた数十人の入所者が、テーブルをはさんで一堂に会し、不自由な体ながら、二つの風船を上にかわるがわる突き上げ、付き添っている職員がその度に回数を大きな声で数え上げている光景にも出会いました。その輪には加わらず、病室で一人ハーモニカを吹く男性、談話室の隅でもくもくとオセロに興じる女性もいました。
基本理念「患者中心の保健、医療、福祉を包括した高齢社会に貢献する医療を実践する」の書かれた額
見学会の最初に、岩井直路院長からご挨拶を頂き、松戸市立福祉医療センターの基本理念として「患者中心の保健、医療、福祉を包括した高齢社会に貢献する医療を実践する」ことを掲げていることが紹介されました。
この病院で出会った光景からは、この理念が施設全体に根付きつつあることを実感しました。
今、聞くところによると、この施設を2年後に閉鎖することを松戸市が計画しているとか。しかし、このような施設こそが今の時代に求められているのに、“閉鎖なんて、とんでもない”という思いを私は強くしました。
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