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タイトル 友禅に魅せられて   野口 功 タイトル

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10/01/13
 野口 功さんが手記を寄せて下さいました。タイトルは、編集部がつけました。
友禅に魅せられて            野口 功
 東京手描友禅の伝統工芸士・篠原清治さんの工房(上本郷)を、県会議員のみわさんと訪ねました。一見、普通のお住まいですが、玄関脇に架けられた小さな木彫り看板で、「友禅工房」と知れます。年末の忙しい時でしたが、奥様がにこやかに迎えてくださいました。
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 玄関には、千葉県指定伝統工芸品・手描友禅の標章。その下には何やら見慣れぬ大きな金属の筒が置いてあり、早くも工房に一歩踏み入った雰囲気です。案内されたのは広い板の間の工房で、地階ですが高窓から自然の光もそそいでいます。こちらには、通産大臣認定の伝統工芸士の標章が掲げられていました。
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 その一角で、篠原さんが白い絹地に色挿しをしていました。作業台の上には、さまざまな色合いの染料の小皿と何十本もの細い刷毛と筆。背後の棚には、伝統美術の本が天井まで壁を埋めています。描いているのは、江戸の町名を判じ絵にした特注の帯地でした。水に溶けて消える青花の汁で書いた下絵の輪郭線を防染用の糸目糊でなぞり、その内側に小さい刷毛で染料を挿していく繊細な手業。絹地は木製の弓でピンと張って、下から電熱器で乾かしながらの作業です。

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 普段、着物とはほとんど縁のない私たちに、篠原さんが友禅の特徴や作業手順を丁寧に説明してくれました。手描友禅は、もともと京都で発祥し、加賀や江戸でそれぞれ独自の発展をしてきた染物で、その自由で多彩な彩色は、世界でも例を見ないものです。構想、図案、下絵、糸目糊置、色挿、糊伏せ、地染め、蒸し、水洗い、上湯のし、仕上げと、数々の工程を経てできあがります。京都友禅は各工程が専門の職人の分業でおこなわれますが、東京手描友禅は、構想から糊伏せまでを一人で行い、地染めまですることもあるとか。

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 工芸士といいますが、まさに美術作品の作家です。神田で東京手描友禅の修行をなさったお父様が、川崎で独立して引染業を営んでいた家庭で育った篠原さんは、15歳から友禅の修行を始め、この道46年。今では、奥様、二人の娘さんも、それぞれ友禅の制作に携わっています。みわさんが篠原さんを訪問したのは、千葉県の決算書に「伝統工芸品後継者養成事業」として篠原さんの名前が記載されていたことから。娘さんの作品は、伝統的な図柄とは一味違った、現代的なセンスの溢れるものがありました。次々と巻き解かれる帯地や着物地、袱紗や袋物などなど。あるものは豪華で艶やかに、あるものは繊細で秘めやかに、その多彩さ、華やかさに圧倒されました。

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 たくさんの手数をかけてつくられるもの。篠原さんは「そんなに高いものではありませんよ」と言われますが、庶民でそうそう誂えられません。着物を着ることが少なくなって注文も減り、丹精こめて作ったものが生かしてもらえないのが残念です。「気軽に着物を着て、歌舞伎でも観に行かれるような世の中になれば」と願い、朝から晩までの仕事の合間を縫って、社会の進歩にも力を注がれる篠原さんです。

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