派遣村から見えてきた――「沈まないで生きていこう」
――「人間」の価値の問題――首都圏ユニオン=山田さんの話
2009/04/11
★世代超えて集う真剣さ――あなたが悪いんじゃない」
小金原九条の会が今回は、「派遣村から見えてきたもの〜ひろがる雇用不安と憲法〜」というテ一マで、首都圏青年ユニオン書記次長の山田真吾さんを招いて、講演と交流のひとときを企画した。桜吹雪が舞う中、白髪まじり世代も白熱。
山田さんのお話には、生きた声がイッパイで、今日本で何が起きているのか、まざまざとその実態を突きつけられた思いに。《自己責任論》や分断策が横行する今こそ、世代を超えて学びと交流を広げていくことがとても大事と痛感。「雇用」という一分野にとどまらない、まさに日本の未来の問題である感を強くした。
★「すき家」では、丼といっしょにアルバイトを使い捨て
「すき家」では、店のリニューアルオ一プンを口実に、古くなったテ一ブルや椅子や丼と一緒に、アルバイトまで使い捨てしようとした会社に対して立ち上がったアルバイトの6人。ユニオンに入り闘った結果、全国1万人以上のアルバイトに残業代が支払われるようになった。
★「SHOP99」では、「名ばかり店長」の残酷→店長「団結」集会が!
「SHOP99」の元店長清水さんは、高校卒業後8年間はアルバイトなどの非正規だったが、ハローワークの紹介なら大丈夫だろうと、初めて「SHOP99」で正社員に。しかし清水さんは、1日23時間、4日で85時間という無謀な労働時間を強いられ、とうとうメンタルな病気に。
「発症前1ヶ月間におおむね100時間又は発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって、1ヶ月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できる」という国は見解(《過労死ライン》と言われるもの)を出しているのに、こんな実態が跡を絶たない。
「自分が最後の《名ばかり店長》に」と闘い、他にも「マグドナルド」・「紳士服コナカ」などへと輪が広がったとのこと。「まともに働いて、まともに生きたいだけ」と、《名ばかり店長》集会も開かれ、マスコミも注目した。今でも実態は深刻だという。
★派遣村から-沈まないでまず「生きていこう!」
当日も展示された、9条匂い袋・鍋つかみ
「日雇い派遣では、人間関係が作れない、今日会った人と明日会う人は違うから、そもそも登録番号で呼ばれるだけ。どこに住む、幾つの人なのか、そんなことを交流する暇もない」
「(交渉していると)労働基準法、あ、うちは適用じゃないんだよね、とおっしやる経営者がよくあるが、東京都発行の『使用者のための労働法』(無料のブックレット)を活用し、これはあなたのための法律ですよと切り返してます」
「今、派遣切りをしている大企業が、どういう状態か、直視して欲しい」「『沈まないで、まず生きていこう』と生活保護を積極的に活用します」
――山田さんは、淡々と、しかし大変力強い報告をしてくださった。最後に「都立や千葉県内の高校からも、招かれている」とも話された。いいねえ、それは大事なことだ。
★輝く憲法9条・25条、見えてきた!
参加者からは、自分の娘息子たちの、深刻な実態が率直に語られ、青年の発言もあり、みんな立ち向かう元気が湧いた。今後に生かしていきたいとあらためて私も決意できた。人が人らしく生きるためだ。山田さんは、『人間の価値の問題』とおっしゃった。光輝く憲法9条・25条!ここからも、日本国憲法が見えてきたよ。命・人権――守らねば。
○参考
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「名ばかり店長」が怒りの訴え・5/19集会
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長時間・違法労働なくそう/“名ばかり店長”集会/東京都内
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