桜田和子さんの歌集「春を呼ぶ」によせて
2014/08/03
私の長らくの友人、尊敬する大先輩でもある松戸市新松戸にお住まいの桜田和子さん(新日本歌人協会)が、このたび歌集「春を呼ぶ」を発行された。
「素晴らしい!歌集を発行されるなんて。ぜひホームぺージで紹介させてほしい」と著者の写真撮影を私がお願いすると、「やめてよ、写さないで‥‥」と言いながらも、にっこり、彼女は承諾してくれた。
地域を歩いたその直後に、新松戸のケヤキ並木で、パチリ。この日も暑かったが、堂々たる笑顔。今年初めにはケガをされて入院されたことがウソのよう。今はまた元気に飛び回っている、この強さ、たくましさには脱帽だ。そしてその一方で、やわらかな感情と優しさが、歌集全体にただよっている。激しくキリリとした緊迫感も貫かれていて、潔い。
*道端にドッジボールがひとつ忘れられ子どもの声が隠れていそう
*寒空をつんつんと突く枝々に小さく丸く春がきている
*稲妻と激しき雨と落雷とすべて断ち切る激しさが好き
*鳴ききって一生終える蝉たちよ全力で生きし生き様みごと
「まさかの落選」というテーマのぺージには、これは三輪さんのことよ、と彼女が言う歌が並んでいる。気恥ずかしい気持ちで読み進めたら‥‥
*「まさか」「なぜ」「間違いでは?」と混乱す一夜明けても数字は変わらず
*全力で頑張ったけど結果出ずひと月経つも「なぜ?」のリフレイン
*被災者の悲しみ思い立ち上がる落選の痛み未だ癒えずも
私が、彼女の人生の1ページに登場させて頂いた、しかも「落選」で。「桜田さんったら‥‥」とつぶやきながら‥‥心痛み、心奮い立たされながら、涙した。
貴女の歌集、読ませていただきます。大切に。有難うございます。これからもご活躍を心から期待します。
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