むらさき
2010/12/30
しんしんと冷える路地裏を、議会報告をもって駆ける。今日の案内人は、実に足取り軽く、60代とは思えぬ早さ。待って、待って。朝から走っている私は、彼女の早さに、少々追いつかない。
慌てて通り過ぎた曲がり角で、スルリと、むらさき色の花が、私を撫でた。振り返ってパチリ。
たどりついたお宅で、こんにちは、と扉を開けるまでの瞬間。
ここにも真冬のむらさきが、光っていた。あちらにも、こちらにも。
冬の澄みきった冷えた空気に、似合う色。深い青が少し淋しげに陰りをみせて、むらさきに染まったのではないかしら。
真冬のむらさきを、しばし胸に抱きて、新しい出会いと対話を待つ一瞬。
この頁トップへ