夏、ザリガニ
2010/07/19
「おにいちゃん、ほら、捕れた、とれた」と得意満面の女の子が見入るザリガニの入ったバケツ。さて、さてバケツ一杯になろうとするザリガニさんは、これからどこへ行くのやら。
まつど森と広場の公園の一角。畑地に注ぐ川のせせらぎ。子ども連れの家族が数組。キャッキャッとザリガリ捕りに夢中の小学生。
ザリガリ捕り――私の子どもの頃はまだ、学校帰りの田舎道での、日常茶飯事だったが。
多くの子どもたちが、いまこうした命の触れあいから、遠ざけられている。大自然の中で、ザリガニやメダカと語り合うひとときは、なにものにも代えがたい、宝の体験だ。
耳を澄まし、目を閉じれば、子どもの声が、花火のように、弾けていた。夏だ。
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