おばあちゃんから、南高梅(なんこううめ)
2010/06/27
早朝、新松戸駅に走る。ハンドル握る気持ちが急く。通称、じゃんけん道路の信号に引っかかり、停車。選挙本番、一秒でも早く駅に行かなければならないのに、赤信号が長く思える。
その時、見知らぬおばあちゃんが、手押し車をおして、ゆっくりゆっくり私の車に近づいてくるではないか。あ、と思わず、声を出しそうになったら、ほいと、赤く色づいた黄色い小さな実を一つ、私の目の前に、おばあちゃんが差し出した。
右手を出して、受け取ったら、おばあちゃんがにっこり笑っている。「杏?」と訊いたら、「梅」とおばあちゃんが言う。“有難う”と言う間もなく、会釈をしたら、信号が青。その梅の実一つ大切に扱いながら、駅に走った。
吸い込むと、甘酸っぱい匂いがからだじゅうに廻った。6月の梅。
仲間に言ったら、皆が、これは南高梅だよと言う。私の故郷の梅か。事務所に帰ると、いつも梅が、しっとり私を待っている、激しい選挙戦の今日このごろ。
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