拝む
2010/05/23
先日、しばらくぶりに母に会ったときのこと。「よっちゃん(由美)のことを、いつも拝んでいる」と言う母。私も、3人の子の母となり、その子たちも成人している。だが、親というものにとっては、いつまでたっても子は子。母の拝む姿は、本当に有り難く、美しい。ぞんな母の拝む姿を、私が拝む。
子どものように笑う母。幼いころから、外で働きながら、看護士や助産師の資格を取って、ついこの間まで、働きつづけた母。その人生は、苦労の連続だったでしょうに、暗さが微塵もない母の笑顔。
その母は、手を合わせて、有り難いふるさとの山から湧き出ずる水を汲む。「孫が熱を出したから、孫にこの水をやるの」と母は言うのだ。
年をとって、わが身が気遣われる年になっても、まだ水を口にふくんで確かめる、孫子のために。そんな生き方を続ける母の命よ、永遠に、と祈らずにはいられない。
今も私に涙あふれさせる、母の姿よ。
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