菊
2009/10/29
蕾(つぼみ)が、いちどきに膨らみ、ぱあっと咲いた駐車場の小さな菊が、あたり一面に広がっていた。モンシロチョウと蜜蜂が、交互に仲良く飛びまわっている。静かに、静かに、シャッタ一を切ると、羽根をときどき震わせて、花の蜜を吸っている。二匹とも無我夢中。白い菊とモンシロチョウの取り合わせは、少し哀しい気にさせる。
でも、じつにたくましい菊のステ一ジ。蕾は、まだまだ一面にいっぱい。今か今かと、濃い緑の葉っぱの上で、固く花弁に力をこめている。咲けば、しっかりと花は空に向かい、いかにも丈夫そうな庶民的な顔。菊の香のなかで、しばし立っていると、なんだか小学校のころを思い出した。理由は、わからない。
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