春薫る餅の香に
2009/03/30
私は、おまんじゅう嫌い。しかし、桜餅だけは、好き。はんなり、ほっこり。まず、さくら餅を口に入れます。舌の上に広がる、しょっぱい桜の葉を楽しんで……だんだん、甘くなります。ああ、甘くならないで。
甘すぎる手前でまた、桜の葉と餅もちが、甘さを引き止めてくれます。塩っぽい桜香とまざりあった絶妙な甘さが、なんとも言えないのです。
さてさて、疲れた体と心に、事務所の皆さんと、春薫るさくら餅と、さくら湯。結構せっかちなOさんが、台所に、駆け込んでいきました。大きな声で、「このお茶、何にも入ってないぞお」
茶碗のふちに、もたれかかった淡い桜花が笑っています。それが、目に入らぬようで……。「ああ、なんだ!さくら湯か」「(ゴックン)うまいじゃないか」と、事務所中に響きわたる声で。
春薫る餅の香に、一瞬華やいだ事務所のなか。桜花ゆらゆら。
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