ヒロコさんの君子蘭
昨年春も過ぎた頃、お亡くなりになられたヒロコさんが、その直前に、私に下さった大きな植木鉢。
花がしぼんで、ますます元気がなくなった姿に、私は、ただオロオロ。結局、お花を育てることがお上手な早苗さんに、「ごめんなさいね。どうしていいか、わからないの」「じやあ、預かってあげる」――甘えたのは、去年のこと。
先日、その早苗さんが突然、大きな植木鉢を抱えて現れたのだ。「まあ、君子蘭!そうそう、ヒロコさんの……」。蕾がたっぷりと膨らんで、花が開くと大きいよ、と自慢げに朱色が輝いている。かつて私は、「貴女はいつも忙しすぎる」と見舞うたびに叱られていた。でも、帰り際には決まって「頑張って」と励ましてくれたヒロコさん。
「故郷を、もういちど見せて」と願ったヒロコさんを乗せて、遠い県外までご家族が車を走らせた、と通夜の席でお聞きして、私は泣いた。あなたの蘭は、この春、去年と同じように、みんなが見ている事務所で、花を咲かせようとしています。
早苗さんのおかげです、有難う。ヒロコさん、3月29日は千葉県知事選挙だから、みんなこの事務所に出入りするよ。そのたび、ヒロコさんの君子蘭を、眺めていきますよ。
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