「行方不明にさせない」――消えた高齢者
2010/08/22
「消えた高齢者」が、この夏大きな社会問題となり、大変驚き胸を痛めている。と同時にこの現実は、「日本の社会保障制度に対する最弱者の悲鳴」という小池晃政策委員長の指摘通りだと思った。今の社会保障を考えるとき、この現実を直視することから、始めなければならないであろう。
社会保障の改悪が繰り返されるたびに、子育ても介護も、重い負担が家族に押し付けられ、児童虐待や老々介護が社会問題になってきた。消えた高齢者問題は、≪所在確認≫をきちんとやることだけにとどまらず、憲法25条が保障する生存権を実現する社会保障制度に国や自治体が全力を挙げてすることを、強く求めているのだと思う。
「しんぶん赤旗」日曜版8月22日号の1面で、「行方不明にさせない」の大見出しで、この問題に対する常盤平団地でのとりくみを報じている。「孤独死も高齢者の行方不明も根は同じ。経済優先のひずみで家族と地域のバラバラ現象が起きている。私たちは、まずあいさつをと呼び掛け、孤独な高齢者をなくそうととりくんで」いると中沢卓実=同団地自治会長がお話になっていることを紹介している。
なお千葉県内では、100歳以上の所在不明者は7人(内外国籍が3人)(8月17日現在)。全国では200人超。県の報告書によると、野田市 1人、松戸市 2人、千葉市 2人、市原市 2人となっている。
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