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タイトル 【2007年 2月県議会】予算委員会 第1日目(07/03/01) タイトル

2007年2月県議会 第1日目(3月1日)

□三輪由美委員 日本共産党の松戸市選出、三輪由美です。
 まず、税の集め方について伺います。税は担税力が基本であり、取れないところからは取ってはならず、取るべきところからきちんと取る、当然であります。ところが、実際はどうでしょうか。
 初めに、相次ぐ増税や負担増による県民の暮らしについて質問をいたします。県内でも昨年6月、住民税の課税通知が届いて以来、とりわけ高齢者の税金が大幅にアップし、抗議や怒りの電話が役所に10万件近くも殺到しました。ことしもまた、定率減税の全廃による大増税が待ち受けているのですから、たまりません。昨年からことしにかけて、定率減税の廃止や老年者控除の廃止を初めとする、いわゆる国の庶民増税で、県民税の増税総額は213億円に上ると聞いていますが、おおむね何人の方が増税となったのか。高齢者で県内住民税課税世帯はどれだけふえたのかお答えください。
□酒井茂英委員長 植田総務部長。
□植田総務部長 税に関する御質問ですけれども、まず、前段の増税の対象人数の関係ですけれども、御質問の趣旨が昨年からことしにかけての県税が増加した方の数ということでございますれば、18年度の決算の数値がまだ確定してございませんので、現時点では把握してないところでございます。
 それから、県内の高齢者の住民税の課税の状況ですけれども、課税世帯ということであれば、年齢別、それから世帯別の納税義務者数についての統計をとってございませんので、これも把握はしてないという状況でございます。
□酒井茂英委員長 三輪委員。
□三輪由美委員 定率減税の全廃、この数字だけでも約272万人にも上ります。老年者控除の廃止、これだけでも22万人を超える大変な影響です。問題なのは、増税と連動する雪だるま式の毎年の負担増、国保料や介護保険料などの大幅アップです。私の携帯にも、昨年、介護保険料がこんなに上がったら医者に行けないと、涙ながらに糖尿病で苦しむ年輩女性から訴えがありました。ところが、知事は、私ども共産党がこのことを何度聞いても、負担能力のある高齢者に負担をなどと答弁をし、県民の痛みを全く感じておられません。私は、こういう知事の姿勢を問題にしたいと思います。
 例えば松戸市内の79歳、独居のAさんは年金収入197万円。3年前は税と国保、介護保険料の合計が年間8万6000円でした。翌年は11万円、その翌年は14万円、ことしは16万円、雪だるま式に負担がふえ、3年間で倍の負担増。さらに、来年は18万3000円まで上がり、わずか4年で10万円もの負担増です。逆に年金は4万円も減ります。知事は本会議で、国の激変緩和措置があると、救済されているかのように答弁されましたけれども、県民の実態は、毎年値上げでたまらない、1カ月の生活費の2倍が吹っ飛んでしまうと。左手がしびれてきたが、もう医療費も上がるし、検査はできないと、こういうふうに、実際、このAさんも税や保険料の支払いが滞っておりました。
 知事、現に今、県内でも増税や負担増で多くの高齢者が苦しんでいます。Aさんのように、県民はもう負担限界ですけれども、それでも知事はもっと負担をとおっしゃるのですか、お答えください。
□酒井茂英委員長 堂本知事。
□堂本知事 私が負担能力のある高齢者の方に御負担いただくと申し上げたのは、今おっしゃったAさんのようなケースではございません。もっと多くの高所得の方だって、高齢者にはいらっしゃるわけでございまして、そういう方にどんどん負担増をという意味で言ったのではないんですけれども、特定のAさんのケースについて、個別に具体的にわかっていませんので、その方の具体的なケースを提示していただいた上で、その方の増税がどういう問題なのかということは的確に調べてみたいとは思います。
 しかし、本年度から実施された税制の改正は、これをやりませんと、将来、もっと財源がなくなるということから、少子・高齢化が進展する中で社会共通の費用を分かち合っていくために大変大きな議論が、最近だけではなくて、この国としてはずっとやってきたものでございます。世界の中で、これだけ高齢化が進んだ国はありません。個別の方の中で今のようなケースの方もおられるかもしれませんけれども、やはり国として税制を改正することの必要性はあったものと思っております。そして、その結果として、先ほども申し上げましたけれども、負担する能力のある方もおられます。そういう方には負担していただくというのが今回の内容だと考えております。
□酒井茂英委員長 三輪委員。
□三輪由美委員 知事、私は負担できる、そうした一部の方のことを問題にしているのではなくて、今、これは全国で大騒ぎになっているわけですよね。それは知事は御存じだと思うんですけれども、今、多くの人が怒っているのは、そもそも憲法25条で定めた健康で最低限度の暮らし、文化的な最低限度の暮らしをみんなが営む権利を有するんだと。ここのところが大きく脅かされていると。生計費非課税の原則はありますけれども、これは例えばですけれども、Aさんのように多くの高齢者がここから取られている、ここのところがやっぱり最大の問題だと思うんです。
 だれが社会保障やそうしたことを負担するかということですけれども、知事、おっしゃいましたけれども、今、日本の大企業を外国と比べますと、フランス23.6%、国民所得比で税や社会保険料の負担が、日本はわずか12.3%ですから、うんと負担をしていない。社会保障財源に占める公費の負担割合だって、外国と比べれば、日本はうんと低いんですね。そういうところを議論をすりかえて圧倒的多数の庶民に増税を強いる、こうした政治は、私はおかしいと思います。
 議論を進めますけれども、知事、増税によって国保料、介護保険料が上がりますけれども、市町村の福祉サービスも削られるということを御存じでしょうか。例えば私の住んでいる松戸市ですと、非課税世帯なら無料で独居の方に緊急通報ベルをつけることができるんですけれども、課税世帯になったら、これができないんですね。そうしたことを知事は御存じなのかどうか。その点だけお答えください。
□酒井茂英委員長 堂本知事。
□堂本知事 そのベルのケースについては存じませんけれども、生活保護と、それから生活保護に近い所得の方の間で同じようなことがあったり、非課税世帯と課税世帯とのまさにボーダーのところで、非課税の方にはサービスがあるけれども、課税のところにはどうしてないのかというような、そういったケースがないわけではございません。
□酒井茂英委員長 三輪委員。
□三輪由美委員 知事、ともかく税は上がる、保険料は上がる、そして松戸だけでも6事業、県内でも大変な福祉事業が削られる。ですから、今、自治体は、例えば川崎市などでは県民税の関係で減免をやっているし、県内でも、国の障害者手帳がなくても介護認定があれば非課税になる可能性があるという制度を最大限利用して、そうしたことをお知らせしている自治体が広がっているんですね。私は、県民が増税で、国のそうした制度によって実際に現に苦しんでいるときに、その痛みを少しでもやわらげようと必死になって努力をするのが自治体だと。そのために自治体があるんだと。その先頭に立つのが知事の仕事だと思うんですけれども、この点、いかがでしょうか。
□酒井茂英委員長 堂本知事。
□堂本知事 私ども財源の許す限りは、今おっしゃったような意味で、県の範囲でできることについては精いっぱいやっているつもりでおります。
□酒井茂英委員長 三輪委員。
□三輪由美委員 知事、たびたび本会議で、例えば国保の高い国民健康保険料によって県内は大変な滞納があり、そして国保の取り上げ、これは全国でトップクラスの最多クラスの深刻な状況がある。しかし、知事はここに一切手を差し伸べようとされない。どんどん県補助を本当にわずかに落としてきているわけですよね。
 高齢者の実態ですけれども、知事は本当のところを御存じないんじゃないかと思うんです。今、日本は10軒に1軒が生活保護基準以下。厚労省の調査でも、高齢者の4割が生活保護基準以下だと、こういう数字があります。OECDの調査でも、日本の高齢者は貧困率が極めて高いということですよね。ところが、高齢者福祉課さんにいろいろとお伺いしましたら、千葉県は高齢者福祉が14年連続トップですよね。それは知事は御存じですけれども、いわゆる貧困といいますか、そうしたところに視点を当てた実態調査など、全くやられていないということでございましたので、この点、増税、負担増に苦しむ高齢者の皆さんの声をしっかりと受けとめていただきたいと。福祉の心が知事にはないのかしら、こういうふうに言わざるを得ないということを申し上げておきます。
 続きまして、大企業の超過課税、法人事業税の超過課税、財源確保策の問題に移らせていただきます。その一方で、負担能力のある大企業に対して、県がどういう対応をされているのかということなんですけれども、知事は税収がふえても交付税が減らされるということで、いつもこの問題になると嘆いておられるんですけれども、何度そういうことを繰り返しても歳入はふえません。国の仕組みの中でも歳入がふえる、その方法を真剣に考えるのが知事の仕事かと思うんですけれども、いかがでしょうか。
□酒井茂英委員長 植田総務部長。
□植田総務部長 本県におきまして、歳入増の努力というのは、私どもが考えるさまざまなことを行っているところでございます。具体的に申しますと、厳しい財政状況に対応するために千葉県行財政システム改革行動計画というものを策定いたしまして、自立した行政基盤の確立を目指しまして、徹底した歳出の削減と合わせまして、県税収入の確保はもとより、受益者負担の適正化ですとか県有地の売却等、さまざまな手段を講じて歳入の確保に努めているところでございます。
□酒井茂英委員長 三輪委員。
□三輪由美委員 しかし、私ども共産党が何度も申し上げておりますように、交付税が減らされないやり方はあるんですよね。大企業法人事業税の超過課税は、何度言っても、おやりにならないわけですけれども、国の仕組みの中で、どうぞやっていただいていいということで、知事、これは認められているわけですよね。実際、私が調べてみましたら、全国7都府県、税率はさまざまですけれども、例えば大阪では、これをやって168億円、お隣の神奈川県では125億円、愛知では108億円、静岡でも71億円、兵庫県69億円ですよ。これは今の国の仕組みの中で交付税を減らされなくてできるんですよね。新年度、法で定められた目いっぱいの税率を掛ければ、これは県の幾らの財源確保になりますか。新年度ベースでお答えください。
□酒井茂英委員長 植田総務部長。
□植田総務部長 平成19年度当初予算に計上いたしました法人事業税額につきまして、地方税法で定められております上限1.2倍の税率で機械的に計算しますと370億円程度の増という数字になります。
□酒井茂英委員長 三輪委員。
□三輪由美委員 大変大きな財源確保になるわけですよね。私学助成、全国最下位クラスで精いっぱいと言いますけれども、これは全国平均並みに一気にできるんですよね。子どもの医療費窓口無料化だって、できる。知事、ほかの県はやっているのに、どうして千葉県ではできないんですか。率直な今の県民の疑問ですよ、声ですよ。千葉県独自で何か理由があるんですか。あるのでしたら、どうぞはっきりとお答えください。
□酒井茂英委員長 植田総務部長。
□植田総務部長 本件につきましては、本議会でも随時御答弁させていただいておりますけれども、法人事業税の超過課税につきましては、全国的に見まして、47都道府県のうち、行っているのは7都府県だけでございます。本県と例えば、人口規模ですとか財政状況で比較的類似性が高いと思われます、例えば埼玉県ですとか、福岡県ですとか、あるいは北海道などを含めまして、40の都道府県では、これを行っていないという状況でございます。各県、各団体、それぞれ事情や経緯がございまして、現在の法体系となっているわけでございますけれども、私ども本県におきましては、昨今の経済情勢ですとか、あるいは国や他県の施策との整合性などを総合的に考えまして、少なくとも現段階では法人事業税の超過課税について慎重に検討すべきであると判断しているところでございます。
□酒井茂英委員長 三輪委員。
□三輪由美委員 7県がやっているわけですよね。知事がお答えください。なぜやらないんですか。
□酒井茂英委員長 植田総務部長。
    (三輪由美委員「知事ですよ。同じ答弁なら、いいです」と呼ぶ)
□植田総務部長 ただいま申し上げたとおりでございます。
□酒井茂英委員長 三輪委員。
□三輪由美委員 知事、代表質問の答弁でも、この超過課税の問題をやらせていただきましたけれども、国際競争力、よくおっしゃいますけれども、部長の答弁でも世界の情勢だとか経済情勢をいろいろとおっしゃいました。しかし、今、千葉県に世界でトップクラスの売り上げの大企業がひしめき合っているんですよね。JFEは世界第4位、新日鐵は世界第3位、旭硝子は第2位、古河電工は第3位、昭和電工第5位、ずらりと世界売り上げ最高クラスの、いわばそういう意味では負担能力がある大企業がひしめき合っているわけですよね。同じ状況の中でも、他の工業県は取っているじゃないですか。ここのところをきちっと見ていただいて、今、福祉にとっても、それから暮らしにとっても財源が要るわけですから、当然、大企業にも応分の、他県がやっている当たり前の負担を求めるのは当然じゃないですか。知事、県内の大企業が他県並みの社会的な役割、負担を果たしていただくのは当然だし、知事も法律で定められた他県並みのことを知事としてきちっと千葉県の企業に要求していくのは当然じゃないですか。知事、お答えください。
□酒井茂英委員長 堂本知事。
□堂本知事 お答えいたしますけれども、今お挙げになった会社は、全部、本社は東京でございます。納税は東京都になされておりまして、千葉県に存在する市町村には、そこの住民税、あるいは法人税は入りますけれども、県に入るものは、私は計算したことがございますけれども、そこの会社が納めている税金が、例えば2000億納めている会社だとしても、県に入るようなのはウン十億程度のものでございます。そのように、あなたがおっしゃるように、そういった会社に県が税金を要求するような県税のシステムは日本国にはございません。
□酒井茂英委員長 質疑時間が経過いたしましたので質疑打ち切りといたします。
□堂本知事(続)そして、しませんので、そのような税金を……。
    (三輪由美委員「東京は取っていますから」と呼ぶ)
□堂本知事(続) それは東京は本社があるからです。
□酒井茂英委員長 以上で共産党の質疑を終了いたします。

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