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【2006年12月県議会】議員定数自民党案の討論(06/11/28) |
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日本共産党を代表して、自民党が提出した「議員定数」に関する発議案「第2号」に反対の立場から、討論を行います。
今回の自民党案では、これまでわが党が一貫して求め続けた特例選挙区の廃止が盛り込まれています。これまでも県民から厳しく批判され、裁判でも問題となってきましたが、ここにきて、自民党がようやく解消にふみだしたことは、遅きに失した、とはいえ、当然のことであります。しかしながら、以下にのべる理由により、自民党案に反対するものです。
反対理由の第一は、「一票の価値の平等」が損なわれていることです。自民党案では、議員一人当たりの人口が最も少ない鴨川市にたいして、船橋市は2.23倍です。2倍以上の選挙区が船橋市のほかに、習志野市、市川市、浦安市、流山市、柏市など、11選挙区も存在しています。そもそも、一票の価値の平等は、選挙区や定数など選挙制度の仕組みを決める上で最も重要な基準であり、民主主義の基本です。自民党案のように、格差が2倍を超えると言うことは、実質的に一人が二票以上の投票権を行使することと同じであり、「選挙権の平等」「投票価値の平等」を損なうものと云わざるを得ません。
第二は、いわゆる「逆転選挙区」、人口の多い選挙区の議員定数が、人口の少ない選挙区の議員定数より少ない、という事態が残されていることです。人口7万5020人の銚子市選挙区は2議席ですが、その銚子よりも人口が多い八街市選挙区は、1議席となっています。人口が多いのに議席が少ない、誰が見ても道理に合いません。
反対理由の第三は、いまでさえ、地方自治法で定めた上限数を大幅に下回っている定数をさらに減らそうとしていることです。地方自治法で定めた議員定数の上限は、いわゆる従来の「法定数」に相当する数です。この数は「民意を反映させるために必要な議員数」として、人口に応じて定められていたものです。600万を超えた県民の多様な声を議会にきちんと反映させるためには、当然、必要な数だと考えます。
日本共産党は、「ただ単に議員定数を減らしさえすればよい」という議論に与するものではありません。全国でも議員定数の削減が広がっていますが、その背景には、国が地方自治体にもちこんできた住民犠牲の「地方行革」いわゆる自治体リストラの流れがあります。国がおしつけた公共事業による借金のツケを住民におわせ、地方議会についても、国は再三、地方行革指針で、事実上、定数削減の圧力をかけてきました。
しかし、そもそも地方議会は、住民の最も身近な議会として、住民の声を自治体に反映する住民の代表機関です。地方議員の大幅な定数削減は、地方自治体における議会制民主主義をきり縮め、結果として自治体を住民から遠ざける役割を果たすものといわなければなりません。不要不急の公共事業などのムダ使いと、民主主義を保障する最低限のコストを同列視すべきではありません。仮に歳出の抑制が避けられないとしても、議員歳費の削減などで対応すれば、定数が増えても、現在の議会予算の枠内に抑えることは十分可能だと考えます。
以上、3点を指摘いたしまして、自民党が提出している議員定数条例案に反対します。
最後に、日本共産党は、これまで縷々のべてきた立場から、定数検討委員会に、選挙区定数の是正案を提出しました。その内容は、第一に、600万県民の意思がより正確に反映できるよう、定数は、従来の「法定数」に相当する118にすること、第二に、特例区の廃止は勿論のこと、選挙区単位は、合併後の現在の郡市を基本にして45選挙区とし、可能な限り定数一の小選挙区の解消を図ることです。その結果、一人区は18となり、一票の格差は、1.98となります。
日本共産党は、県民の民意が十分に反映され、議会がその役割を十分発揮できるよう、何よりも一票の価値の平等を基準にした議員定数の抜本的改正を求めて、討論を終わります。
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