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【成田空港問題全員協議会】の意見表明要旨(05/08/02) |
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日本共産党の、みわ由美です。県の「申し入れ」(案)にたいし、日本共産党として2点、見解を述べます。
第一。今回の「北延伸」問題の経過をみると、成田空港問題をとりあつかう際に関係者が守りぬくべき一番基本のルールを、国が乱暴に踏みつけたと言わざるをえない。その基本ルールとは、どんな問題も、住民と事前によく話し合い、十分な合意を得てから決定してゆくというルールです。
ところが今回のやり方は、合意を得てから決定するのではなく、正反対に、「北延伸」決定という既成事実がまず最初にあって、それに合わせて、あとから住民に無理やり合意をせまる、こういう形になっています。順序があべこべだ。この重大な手順前後にたいして、県として、「それは間違いなんだ」という明確な指摘、国にたいする態度表明があってしかるべきだ。それがない。
第二。申し入れの個々の項目は、それぞれ当然すぎる内容だと考えます。しかし、その根底をつらぬくべき基本精神、すなわち、住民の完全な合意を見届けないうちは、絶対に事業着手はしない、見切り発車はしない、という確約を国に求めるべきだと考えます。
たとえば申し入れの第一項には、北延伸の具体的内容を関係者によく説明して、“コンセンサスを得るよう努めること”とある。これでは、単なる努力目標にすぎない。それでよいのか。あまりに弱腰ではないか。こういう努力目標ではなくて、コンセンサスを得ないうちは絶対に着手しないよう、断固とした姿勢で国に確約を迫るべきではないか。
空港問題は長い歴史のうえに、今日がある。県民の痛みのうえに、さまざまな基本ルールがつくられてきました。この歴史の教訓が、今こそ正しく生かされねばならない。住民合意を何より大切にする。この大原則がひとたびあいまいにされるなら、それは今後にとりかえしのつかない、重大な禍根を残すことになることを、つよく指摘したい。
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