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タイトル 【2005年12月県議会】2004(平成16)年度決算認定反対討論(05/12/16) タイトル

 日本共産党を代表し、2004年度の一般会計および特別会計の、決算認定に対する反対討論を行います。小泉内閣の下で「三位一体」の名による財政の締めつけや、自治体リストラ、市町村合併の嵐が吹き荒れ、2004年度は、増税や社会保障の切捨てなど、県民に耐えがたい痛みが押し付けられました。県が、自治体本来の役割を十分に発揮して、県民の福祉・暮らし・健康を守りぬいたのか、財源確保にあらゆる努力を尽くしたのか。私はそうした観点から決算審査に臨みました。以下5点にわたり反対の理由を申し述べます。
 まず第1は、福祉予算の削減で、県民生活に大きなしわ寄せがおしつけられたことです。県民世論調査では、高齢者福祉の充実が連続トップですが、待機者が1万6000人と激増している特別養護老人ホ−ムの建設は、34施設の要望があったのに、新規建設はたった4施設。精神障害者社会復帰施設も、9施設の要望に対しわずか1施設と、高齢者や障害者施設の建設補助は、大幅に削減されました。さらには、子どもたちが放課後をすごす学童保育所の不足も深刻なのに、建設補助は前年の半分に減らされ、11施設の要望に対し、設置は7施設にとどまりました。共働きや母子・父子家庭の増加など、学童保育所の希望者はどんどん増え続け、一つの小学校区に一ヶ所はどうしても必要です。ところが実際の設置率は、千葉県は関東最低であり、その結果、100名を超える過密の学童保育所や、学校から遠く離れた学童保育所などが生まれています。私も現地を視察しましたが、指導員の方は「この距離を小学1年生に歩かせるのは、本当に不安です」と訴えていました。通学路での事件が相次いでいる昨今、楽しく安心できる放課後を保障するためにも、改善は急務であり、予算を増やして増設につとめるべきです。
 反対の第2の理由は、「財政難」を口実にした大幅な給与カットと県職員減らしで、職員や県民生活に深刻な影響をもたらしたことです。農業改良普及員や研究職など、この5年間だけでも52名も専門職が減らされ、農家から「普及員さんが組合に来てくれる回数が減った」「情報が入らなくて、直接センタ−に行ったが、職員は不在だった」などの苦情が寄せられています。県内でもキャベツの産地廃棄など、農業をめぐる状況は一層深刻なのに、頑張る農家の足を引っ張るものではないでしょうか。全国屈指の農業県にふさわしい体制にすべきです。
 また県は、5年前には16ヶ所の保健所で実施していた浄化槽や工場排水の水質立ち入り検査を、5ヶ所の県民センターに移してしまい、しかも浄化槽の検査人員は106人から17人に、また水質汚濁防止法に基づく特定事業所への立ち入り検査の人員は、60人から23人に減らしてしまいました。検査件数はそれぞれ3分の1から4分の1に激減です。JFEスチールのデータ改ざん事件などが大問題になり、県独自の検査体制の強化がますます必要なときに、これでは逆行だと言わざるをえません。
 反対の第3の理由は、県立病院の医師・看護師不足が一層深刻化し、職員の必死の努力にもかかわらず、県民の命と健康を守る砦がないがしろにされようとしていることです。医師不足で診療科目が減らされ、看護師の定年退職者は年間でわずか2名でしたが、なんと中途退職者は125名でした。なぜこんなに多いのか、この原因についての県の答弁は、「子育てや家族の看護、本人の体調」などというものでしたが、逆に県がその体制をきちんと保障できていないことの証ではないでしょうか。しかも、レベル3、4、5のいわゆる重度の医療過誤が、前年と比べ79件から120件へと増加しています。この9月、千葉県医療労働組合連合会が実施した看護師アンケ−トでは、事故続発の原因のトップが「仕事が忙しい」で、「交代勤務による疲労」とあわせれば4割を超えています。また8割以上の看護師が「患者への看護が十分できない」と苦しみを訴えています。ここに最大の原因があります。医師・看護師確保のための抜本的な対策を強く求めるものです。
 反対の第4の理由は、市町村合併が県主導で強引に進められましたが、合併が住民生活にもたらしたものは、県がバラ色に描いた事前の宣伝とは似ても似つかぬものだったことです。野田市に合併された旧関宿町では、福祉センター使用料や粗大ごみなどの手数料が軒並み有料化され、大幅負担増となりました。旧天津小湊町では、検診の全額無料制度が有料化され、受診率は半減しました。旧岬町では、子どもの医療費無料化が、通院は小学校入学前まで、入院は中学校入学前までと県内トップクラスで、町長さんも「この制度のおかげで、若い人たちが引っ越して来てくれているんですよ」と胸を張っておられましたが、これも合併によってすべて県基準に戻されてしまいました。一体、このどこが、県がさんざん合併のうたい文句にした「サービスは高い方に、負担は低い方に」でしょうか。私の追及に、県は「今はそうかもしれないが、今後の推移に期待したい」などと答えました。まさに破綻そのものです。こんな合併のおしつけは、絶対に許されません。
 反対の第5の理由は、財政難といいながら、一方で大型公共事業の無駄遣いを放置し、他方で、税収確保の努力をつくしていないことです。八ッ場ダムや、つくばエクスプレス沿線開発など、架空ともいえる過大な計画は、抜本的な見直しもないまま、進められています。わが党が繰り返し主張し続けている、大企業の法人事業税の超過課税も拒否し、またもや100億円もの財源確保策を先送りしました。こんなことで、どうして「財政難」を語る資格があるでしょうか。
 最後に、昨年度は全国的に警察の報償金のあり方が問題になり、昨年3月末、警察庁から全国の県警に「会計書類を廃棄しないで保存するよう」指示が出ましたが、千葉県警では14冊もの会計書類がすでに廃棄されていた事実が発覚しました。これにより昨年8月に処分された人数も10人と全国トップクラスでしたが、問題は処分の内容です。重要な会計書類にもかかわらず、単なる訓戒や「注意」処分だけ。いつ、誰が、なぜ廃棄したのか問い質しても、答弁は『個々には不明である』というものでした。不明朗そのもの、とうてい県民の納得できるものではありません。
 以上、指摘しましたが、住民の命と暮らしを守りぬく、県民が主人公の開かれた県政とは言いがたいことを、つよく申し上げて、反対討論といたします。

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