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【2005年 9月県議会】代表質問 1回目@(05/10/05) |
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(1)暮らしと社会保障について
松戸市選出のみわ由美です。日本共産党を代表して質問します。まず初めに県民の暮らしと社会保障の充実について伺います。自民党は、選挙中は郵政一本槍で増税隠しをしながら、選挙が終わった途端、谷垣財務大臣が「定率減税を全廃する方向で検討する」「消費税の増税も検討する」などと発言、日米会談でもその意向を表明しました。そもそも自民党の選挙公約には「定率減税の廃止」はないばかりか、公約には「サラリ−マン増税はやらない」と明記されていたのですから、全くひどい話です。サラリ−マン増税が実施されたら、ある試算では年収500万円の4人家族で年間42万円の負担増となり、さらに消費税が10%になれば年間55万円もの大増税になる。すべての勤労者世帯に大打撃です。ある主婦の方は「夫の2ケ月分の給与が消えてしまう。大学進学もロ−ンの支払いも計画がメチャメチャです」とお怒りでした。
サラリ−マンだけではありません。政府は、年度当初に2ケ年で7兆円もの大増税計画を決めましたが、医療費引き上げに加えて、年金の大改悪、老年者控除の廃止による課税強化、介護施設利用者の食費・居住費の全額自己負担等々、高齢者も含めあらゆる世代への直撃です。私がお話を伺った松戸市内の77歳の一人暮らしの男性は、年金収入が年間190万円ちょっとですが、国の老年者控除廃止で来年から住民税を新たに支払い、連動して介護保険料も国保料も一気に値上げのため、年間少なくとも5万7000円を超える負担増になることがわかりました。税と社会保険料だけで1ケ月の年金15万円近くが消えてしまいます。「こんなに上るなんて思ってもみなかった。来年はアパ−トの更新料5万円を払わなきゃならんが困った、困った。右目は緑内障、左は白内障と医者にいわれ、医者代もかかるのに。何とかなりませんか。年寄りをいじめないでもらいたい」と訴えておられました。
小泉首相は、今後、定率減税の廃止、消費税の大幅引き上げなど庶民大増税と、障害者へのサービス利用料1割自己負担導入をはじめ、連続する社会保障の改悪を一気に進めようとしていますがとんでもありません。■知事、こうした国の計画は、今でも深刻な県民の暮らしに大変な影響をもたらすことになりますが、その事実を知事はお認めになりますか。■600万県民の知事として、庶民大増税や社会保障の削減など、国民いじめはやめるよう声をあげるべきではありませんか。■定率減税廃止や消費税の引き上げには反対の意思表示をして頂きたい。以上、併せてお答え下さい。
こうした状況のもとで、県政はいかにあるべきでしょうか。国の政治がひどい時だからこそ、全力をあげて県民の暮らしと福祉を守るのが、県の第一の仕事です。その先頭に立つのが知事の役割です。
ところが逆に県は、堂本知事就任後だけでも、次々と県民負担を増やしてきました。県立高校の授業料は3年間で2度も値上げ。県立博物館・美術館の入場料、県の生涯大学校、高等技術専門校の授業料など、あれもこれも有料化です。先日、親の介護をしながら再就職のための職業訓練を受けたいと願う中高年の男性から「介護負担も重く、年間11万円の職業訓練校の授業料は、とてもはらえない」との訴えが寄せられました。リストラの生活苦から立ち上がろうとする県民の足をひっぱる冷たい県政と言わざるをえません。また今回明記された、緑の保全を口実にした個人県民税の超過課税は大問題です。森林や緑地の保全は必要だから県民が負担するのは当たり前、こんな理屈で、負担能力も考慮せず、とりやすいところからとる、というのはあまりにも乱暴すぎませんか。
■知事、国が負担を押し付けているこのときに県も一緒になって県民への負担増を押しつける、こうしたやり方でいいのでしょうか。■緑を口実にした個人県民税の増税は断念すべきです。そうした姿勢こそ改めるべきです。お答えください。
社会保障についても同様です。国が福祉の削減をしている時に、県も輪をかけて削減していませんか。県民世論調査のトップはいつも「高齢者福祉の充実」ですが県は、この3年間だけでも特別養護老人ホ−ムの施設整備費を大幅に減らし、待機者数を1万6000人へと3倍にも激増させました。昨年度からほぼすべての市町村が利用していた国民健康保険に係わる県補助金を3分の1まで減らしましたが、事態は悪化の一途。依然として高すぎる国保料が払えない滞納世帯は増え続け、窓口でいったん全額を支払わなくてはならない資格証明証の発行数も、4年間でなんと2万4000件へと倍増です。特養ホ−ムにも入れない、金の有るなしで医者にもかかれない、国の政治に輪をかけて県民を苦しめる県政、と言わざるをえません。
しかも許せないのは、知事が選挙直後に難病の子どもたちへの県助成制度を廃止したことです。4月から、とりわけ喘息児童3万人の子どもたちや、心臓病の子どもたちが助成をうけられなくなり「1ヶ月数万円の医療費が増えました」「治療や薬を減らすしかない」と影響は重大かつ深刻です。喘息の娘さんをもつあるお母さんは「発作を起こした中一の娘に医者に行こうと言ったら『お金がかかるから我慢する』と言われ、胸が締めつけられました。ぜひ元に戻して頂きたい」と訴えていました。わずかな期間で4万4千筆もの署名が知事に寄せられています。知事が打ち切った県補助復活は急務です。
■知事、国が国民への社会保障の切捨てをすすめているときに、県がそれに輪をかけるのは、やることが逆さまだといわざるを得ませんが、どうか、■難病に苦しむこの親子の悲痛な叫び、知事はどんな感想をお持ちですか。■喘息など、この4月から助成を受けられなくなったすべての子どもたちの実態調査を緊急に行うべきではありませんか。■県助成制度は、直ちに復活させるべきです。以上、4点お尋ねいたします。
また、いま県民に大きな負担と苦しみをもたらしているのが、今月から実施の介護保険の大改悪です。ところが県は、この点でも手立てをうっていません。特別養護老人ホ−ムなど介護施設で居住費や食事代がホテルコストとして全額自己負担となりましたが、平均で年間40万円もの負担増です。私の調査では、ある特養ホ−ムでは、月額8万3000円から15万3000円へと月7万円もの値上げ、年間84万円もの負担増になることが分かりました。ご家族の方は、とても払えないし、認知症がすすんだお年寄りを家庭で見ることもできない、と困り果てています。
あるケアマネ−ジャさんも「在宅で頑張るご家族に『ショ−トステイは相部屋で新たに1ケ月3万円、個室なら倍近く負担が増えます』と説明したら、ご家族から『金も、身体ももちません。家庭崩壊は時間の問題』と訴えられた。切ない。」と涙ぐんでおられました。国は、少ない所得の方への軽減制度がある、としていますが、ある在宅介護センターでは「担当の70件のうち、国の制度が使えるのは今1件だけ。焼け石に水です」との事です。サ−ビスをへらしても、落ち着く場所もない……追い詰められたお年寄りやご家族、介護関係者の悲痛な叫びが、知事の耳には届かないのでしょうか。■知事、こうした苦しみをご存知ですか。必要な介護が受けられない、などということは絶対あってはならない、と考えますが、知事の見解をお聞かせください。■県として緊急に実態を把握し調査すべきですが、どうか。■10月からの食費・居住費の自己負担にたいし、直ちに県独自の負担軽減制度をつくるべきです。お答えください。
(2)「財政改革」について
●次に、新たな「行財政システム改革」の原案、とりわけ「財政改革」について伺います。新たな改革案の策定に当たって、まず必要なのは、2003年から始まった現行の「財政再建プラン」についての徹底した総括です。今までの現行プランは、財政危機の原因を「不況による税収減」と「義務的経費の増大」にあるなどとして、その対策をもっぱら、県民サービスの切り捨てと負担増、県職員の定員削減や給与カットなど職員への犠牲転嫁に求めています。しかし私ども日本共産党は、いわゆる大企業減税・法人事業税減税による大幅税収減や巨大開発への浪費という財政危機の真の原因を直視することなしに、正しい財政再建はありえないと、一貫して指摘し続けてまいりました。
事実、この3年間の推移を見ても、義務的経費のうち、人件費は、2002年度に比べて99%に、社会保障費は、今年度からの国保財政への県負担分を除けば、実質98%に、いずれも落ち込んでいます。一方、過去の借金の返済である公債費は、約1600億円増えて、212%、2倍以上に膨らんでいます。しかも、「聖域なき歳出削減」と言いながら、この3年間、つくばエクスプレス沿線開発や八ツ場ダムなど、必要のない巨大公共事業への浪費が続きました。
県民サービスと職員に犠牲を押し付け、財政危機のおおもと、巨大開発への浪費には手をつけず、支払い能力、担税力のある大企業に応分の負担を求めようともしない。これでどうして、真の財政再建の道が開けるでしょうか。■改めて、財政危機の真の原因に率直に目を向けると同時に、住民の暮らしを守るべき自治体としての真摯な分析とゆがみのない総括を求めるものです。ご答弁ください。
県が示した新たな「改革案」は、これまでの現行計画にもまして、数字の根拠も示されていない、きわめてずさんなものだといわなければなりません。しかもその中身は、新たな「定員適正化計画」つまりリストラと、「給与構造の見直し」による更なる人件費の削減、また「県の役割の見直しと事業の選別」という名の、県民サービスの切り捨て、市町村への仕事の押し付け、公の仕事を民間の儲け仕事に差し出す民間への官業の明け渡しです。その一方で「歳入確保」策では、税財政研究会の提言さえ押さえ込んで、大企業の法人事業税への超過課税を見送り、「緑の保全」などを名目にした個人県民税への超過課税、「受益者負担」の名による20億円もの県民負担増です。これでは徹頭徹尾、大企業を優遇し、庶民に負担を押し付けるものではありませんか。
とりわけ、職員のリストラについてはすでに、第一次で2358人、第二次で1261人、いずれも計画を上回っての削減が行なわれてきました。その中心は、保健所や福祉関係、教職員であり、県民生活に密着した部分の切り捨てです。しかも、繰り返しの賃金カットで、県職員給与は、民間より月額8717円、2.1%も低くなっています。■これ以上の職員への犠牲転嫁は、到底認められるものではありませんがどうか、お答え下さい。
■「歳入」でも、県はこの間、私どもが繰り返し要求してきた大企業の法人事業税、法人県民税均等割りへの超過課税には見向きもせず、個人県民税への超過課税に走っていますが、いかにも公平を欠くものです。「小泉改革」の名のもと、社会保障の切捨てと負担増にあえぐ県民に追い討ちをかけるようなやり方は、断じて許されません。お答え下さい。
それでは、住民の暮らしをこそ守るべき自治体としての真の財政健全化の道は、如何にあるべきでしょうか。私どもは、ことあるごとに提案してまいりましたが、■その第一は、やはり浪費の構造の徹底した見直しです。過大なつくばエクスプレス沿線開発、必要のない八ツ場ダム計画、さらには、都市間競争を口実にした大企業誘致のためのずさんな巨額の補助金。これらの徹底した見直しが必要です。
第二に、担税力のある大企業への適正な課税です。すでに、98年からの法人事業税減税は、昨年度までの7年間で、総額1700億円にも達しています。大企業の法人事業税、および法人県民税均等割りへの超過課税は、当然ではありませんか。
第三に、自治体財政に責任を負うべき国に対して、厳しくその責任を全うするよう迫るべきです。直轄事業負担金の廃止や超過負担の解消は、言うまでもないことですが、今、県財政に重くのしかかっている県債残高は「将来、交付税措置されるから」と、国の景気対策、経済対策として乱発されてきたものです。その交付税の総額が確保されず、またもや「将来、交付税に算入する」とのことで、不足分を県債で賄え、などというのは、文字通り詐欺的やり方だといわなければなりません。是正は急務です。以上三点、併せてお答え下さい。
(3)地震対策について
●次に地震対策についてです。この7月、私は予算委員会で知事に、県立学校の耐震化の遅れを指摘し、年次計画をたてて実施するよう強く求めました。しかし知事は財政難を口実に、計画の作成を拒否する答弁を繰り返すばかりでした。この質問の18日後に、震度5の県北西部沖地震が発生し、16の県立高校などで柱や壁の亀裂・天井継ぎ目部分の落下・水漏れなど、36ヶ所もの被害が出ました。ところが校長からの被害報告に対する県の初期対応は「この亀裂は地震が原因ではないかもしれない。地震以前のものではないか」などというもので、当面の応急対策こそ講じられたものの、とても事態を深刻に受け止めたとは言いがたい印象を与えるものでした。
更に驚いたのは、私が訪ねたある高校では、1階部分の柱2ケ所に2メートルもの大きな亀裂が走り、危険な状態でしたが、これほどの被害が出ているのに、県は1年前に実施した耐震診断の結果を、学校にも知らせておりません。ここに至ってなお、次の地震がきても大丈夫かどうか校長も子どもたちもわからない、こんな不安を放置してよいのでしょうか。県立学校16校で被害があった、この事実さえ、県はHPをはじめ、いっさい公開していない、あまりにも無責任ではありませんか。
■知事、なぜ隠すのかお答えください。■隠せば隠すほど不安は増大します。学校の地震被害は当然公開し、耐震診断結果はすみやかに学校に知らせるべきです。お答え下さい。
県立学校の耐震化率は、全体で53パーセントと極めて遅れており、関東最低クラスです。ところが今の改修テンポでは、予想される大地震には間に合いません。耐震診断の結果、補強が必要とされた県立学校校舎249棟のうち、今年度の工事は7棟ですから、このペースではあと35年もかかることになります。加えて、診断そのものが未実施というのが195棟も残っていますから、更に倍近くの年月を要します。同じく体育館について見ると、補強が必要な99棟のうち今年度の工事は3棟ですから、あと33年。これに未診断の50棟を加えると、50年以上もかかる計算になります。■知事、国の中央防災会議は、首都直下型地震が起きる確率は10年以内で30パーセント、30年以内で70パーセントと警告しています。こんな悠長なテンポでは間に合わないではありませんか。どうお考えか、お答え下さい。■学校の耐震改修は、「計画がたてられない」では済まされない、子どもや県民の命に直接関わる特別な公共事業なんだとお考えにならないのか、見解をお聞かせ下さい。■年次計画をたて直ちに着手すべきです。答弁を求めます。
『財政難』を口実に遅れを放置しているのは、学校だけではありません。県の防災計画は4年前のもので、そこで使われている被害想定は10年前のものです。県中央防災センタ−は、老朽化のためこの2年間閉鎖されたままで、「センターで地震体験をやったら、本当に壊れます」という説明でした。何ということでしょうか。■知事、被害想定は計画の基本をなすものです。中央防災会議をはじめ、阪神・新潟などの教訓や最新の知見に基づく被害想定の見直しを、きちんと予算もつけて行うべきではありませんか。県中央防災センターの再開もふくめ、県の地震対策の抜本強化に全力をあげるべきです。お答え下さい。
最後に、いま重視されている個人住宅の耐震化についてです。この点でも、県内の個人住宅の耐震化率は、国の平均を5ポイントも下回る約70パーセントと見込まれ、45万戸が未補強のままです。国の防災会議も「国費を出してでも、老朽化した木造住宅の建替改修を」と強調していますが、阪神大震災では死者の8割が建物の崩壊の為であり、対策は急務です。政府も、耐震化率100パーセントになれば死者数は5分の1まで減らせる、10年後には耐震化率9割に、との目標を示したものの、わずかな税制措置をとっただけで全く不十分です。
そこで全国では、埼玉、愛知など28都府県で、診断や改修への助成、融資など何らかの制度がつくられていますが、千葉県には全くありません。県内でも船橋、市川、我孫子など8市1町で独自の助成制度がスタートし、住民から喜ばれています。■知事、全会一致の6月県議会決議をうけ、県としても個人住宅の耐震化支援に今こそ、踏み切るべきですが、どうか。お答え下さい。
(4)アスベスト対策について
●次にアスベスト対策について伺います。アスベスト関連企業で、ガンやじん肺で死亡した労働者が約500人、被害は家族や周辺住民にも及び、石綿が原因とされる中皮腫による死亡者は、95年以降だけでも6000人以上、今後40年間で10万人と言われています。また建設労働者の石綿肺がんの死亡者は少なくとも年間8000人を超え、中皮腫死亡者の10倍もの被害者が見落とされているとも指摘され、不安は広がるばかりです。
そもそも、アスベストの発ガン性が国際会議で初めて指摘されたのは、40年前の1964年。72年にはWHO世界保健機構やILOが強くその危険性を警告し、ヨーロッパ諸国では、既に80年代に相次いで全面使用禁止にしました。ところが日本では、95年まで発ガン性の特に強い青石綿、茶石綿の使用を放置し、主な石綿製品の原則禁止措置がとられたのは昨年のこと、全面禁止は3年後の2008年です。長期に渡って、安全対策も全く不十分なまま大量の石綿の製造と使用を続けてきた企業と、危険性を知りながら輸入を増やし使用を容認してきた政府の責任は、あまりにも重大です。■国に対し、直ちに全面禁止を求めるべきですが、どうか。■今後の対策については「政府と関係企業の責任と費用負担」で、すべての健康被害者の保護・救済を図ること、この大原則をはっきりさせる必要があると考えますが、知事の見解はいかがでしょうか。■また関連して、ガンは発症までの潜伏期間が長く、労災申請が困難なため、労災認定基準の見直しが必要です。国に改正を求めるべきだと思いますが、どうか、お答え下さい。
アスベストの使用実態調査については、県は国からの指導を受け、調査を実施していますが、民間の施設設置者はその対応に困惑しています。例えば、NPOが運営しているある障害者施設では、利用している施設が賃貸物件であり、建設当時の所有者が不明で設計図書がなく、施設を開所した際のリフォーム業者が倒産しているなどの理由で、県に「調査は不可能」と回答したところ、「業者を使ってでも調査しなさい」といわれたそうです。利用者に不安を与えてはいけないと努力したが、調査費用も、アスベストが使用されていた場合の改修費用も、すべて自己負担というのでは、とても資金的な見通しがたたない、県に支援してほしいと訴えています。
アスベスト対策は、すべての施設で行わなければなりませんが、こうした社会福祉施設を含む約3800の調査対象に、単に「設置者の負担と責任で行え」というだけの、今のような方法では、どうしても限界があります。■訴えにもあるように、調査及び改修を含め、国や県が本格的な財政支援を講じる必要があるのではありませんか、伺います。
なおアスベストの使用実態調査のうち、県の施設についての調査結果の公表のテンポをもっと早める必要があります。■調査完了に至る以前の中間段階で、調査中のものは「調査中」として、県民が県施設のすべてについて、ともかく現段階の情報を知ることができる、そういう公表の仕組みをつくるべきです。ご答弁下さい。
この問題の最後は、健康不安に対応できる相談体制と医療機関の整備についてです。アスベスト建材を扱ってきた建設労働者は退職者を含めると1000万人にものぼると言われ、多くの方が健康への不安を抱えています。しかしアスベスト検診を実施するには、精度の高いレントゲン設備を備え、その画像を判別できる専門医が常駐していることが必要です。そのため県では、健康相談に対しては県内に一ケ所しかない千葉労災病院を紹介していますが、それだけでは、検診を受ける側も大変です。
この9月、県内の建設労働者で組織している千葉土建一般労働組合が、ある医療機関と合同でアスベスト検診を実施しましたら、問診とレントゲンで費用はひとり3000円との事でした。この検査で中皮腫の疑いが指摘された方もおり、再度胸部CT検査などの精密検査を行うとのことですが、更に費用もかかります。しかもほとんど多くの建設労働者は不安を抱えたまま、放置された状態です。■県として、労災病院だけでなく身近でこうしたアスベスト検診ができる医療機関のネットワークをしっかり整備する必要があるのではないでしょうか。検診費用についても助成制度をつくるべきだと考えます。ご答弁下さい。
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