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タイトル 【2004年12月県議会】一般質問 1回目の質問(04/11/26) タイトル

(1)知事の政治姿勢(公約)について
 日本共産党の三輪由美です。最初に知事の政治姿勢として、公約とは何か、について伺います。今回この問題を取り上げますのは、いよいよ県知事選挙の日程が決まり、堂本知事の再出馬が取りざたされているいま、あらためて知事ご自身がこの4年間、自らの選挙公約にどういう態度をとってきたか、また、公約というものについてどんな見解をもっているかを明らかにしておくことが、次の選択に向けた有権者の判断材料として重要だと考えるからであります。
 つくばエクスプレス沿線開発について知事は、前回選挙における住民団体のアンケートに『鉄道が通るから大規模開発をするというバブル的発想は根本的に改めることが時代の要請です。鉄道と一体型の大規模開発は凍結し--------勇気をもって計画の根本的な見直しをしていくべきと考えています』と答えています。しかし当選後の知事の実際の行動は、計画の見直しどころか、この開発を県政の最重点課題の一つに位置づけ、湯水のように県財政をつぎこんで、しゃにむに突き進んできたのであります。
 いま一つは市町村合併で、知事は4年前、新聞社のアンケートにこう答えていました。『とにかく合併ありきという考えには賛成できない。巨大な自治体では、市民と議会、行政が離れすぎてしまう。市民が見える適正規模の自治体がよい』。だれが、どのように読んでも、明らかに合併に批判的な見解、巨大な自治体ではダメだという意見です。ところが今はどうか。知事を先頭に合併、合併の大合唱ではありませんか。
 そこで最初の質問です。いまあげた二つの事例について、堂本知事が前回選挙でかかげた公約と、実際にとってきた行動とは、明らかに異なるもの、正反対のものだと私は考えるのですが、知事はその事実を認めるのかどうか、端的にお答えいただきたい。
 仮に、知事になってから考えが変わったのだとしたら、県民にたいする説明責任があるはずですが、その説明はいっさいありませんでした。公約を忘れてしまったとすれば論外です。どちらにしても、これでは、堂本知事の公約は信用ならないと言われても仕方がない、そういうことになりはしませんか?第二として、知事の明快な見解を伺います。
 ここであらためて質しておきたいのは、知事が公約というものについて、いったいどんな見解を持っているのか、という点であります。ことし6月議会でわが党の小松実議員がつくばエクスプレスについての知事の4年前の選挙公約にふれたとき、知事はこのように答弁されました。『私が書いたものなどの中に常磐新線のことはなかったと思います。選挙の場所でそういうことを訴えられたときに、“そういうことは勇気をもって見直しましょう”ということは申し上げたかもしれない』と。実はこれは知事の記憶ちがいでアンケートには明快に知事の回答が記載されているのですが、問題なのは、住民の集まった場所で自分がしゃべったことは公約ではない、と言わんばかりの、その発言です。これはとんでもない事です。知事がどんな場であれ、県民に向かって述べたこと、約束したこと、それはすべて知事の厳粛な公約ではありませんか。お答え下さい。
 この4年間、あるいは「菜の花県民会議」で、あるいは各種のタウンミーティングで、知事は集まった人たちに様々なことを発言し、約束してきました。知事が来てくれた、私たちの切実な訴えに理解ある同感の言葉で答えてくれた、こう受け取った人も少なくないはずです。それが、あとになって、知事の口から「あるいはそんな場所で、そんなことを申し上げたかもしれない」などと片付けられたとしたら、これほどの背信行為はないではありませんか。これは極めて重要な問題ですから、このさい明確な見解を述べていただきたいと思います。

(2)財政運営のあり方、財源確保について
 次に、財政運営のあり方、および財源確保について伺います。3年連続の赤字決算を回避するとして、県は今年度、人員削減や賃金カットに加えて、私学助成や児童福祉司にかかわる国から交付された予算の流用、高齢者や障害者施設整備予算の大幅カット、さらには、博物館や美術館の有料化など、県民生活に直結する予算を切り詰め、負担増を押し付けてきました。しかし、財政難のおおもとが、過去の巨大開発による県債残高および公債費の激増にあることは、論を待ちません。今こそ、過去の歪んだ財政支出のあり方を真摯に反省し、根本的に転換することが求められています。
ところが、残念ながらそうはなっておりません。それどころか、八ッ場ダムやつくばエクスプレス沿線開発、かずさアカデミアパークへのさらなる財政投入に見られるように、巨大開発推進路線に少しの変更もなしに、浪費が続いています。今、知事がやるべきことは、県民へのサービスの切捨てや負担増の押し付けという、的外れで、自治体本来の責務の投げ捨てとも言えるような財政の切り詰めではなく、県財政をここまで逼迫させてきた真の原因に厳しいメスを入れることではありませんか。ここで勇気ある決断、財政運営の根本的転換ができなければ、600万県民の期待に背くだけでなく、自治体としての最低限の責務さえ全うできないことになりかねないと思うのですが、知事の見解を伺います。
 歳出構造の転換と同時に、適正な財源確保策の実行も求められています。ここ数年、県は、財政危機の大きな要因として、県税収入の減少・低迷を指摘し続けていますが、その中心が、法人関係税であることは、周知のとおりです。事実、法人関係税の低さが県税収入全体を押し下げています。2002年度の県民一人当たりの税収額は全国平均を100とした場合、個人県民税では116と千葉県は全国3位の高さですが、法人関係税はわずか62で全国平均を大きく下回り32位に低迷しています。大企業ひしめく千葉のような工業県では、大企業への適正な課税、つまり法人事業税の超過課税で企業にも応分の責任を求めることなしに、県財政の確立はありえません。わが党の繰り返しの要求に対して、県は「県民の理解を得なければならない」「増税に見合うメリットの検討が必要」などと言いますが、すでに東京・神奈川・愛知・兵庫など、7つの工業都府県では、超過課税を実施しています。しかも98年から99年にかけての2割減税で、すでにこれまで大企業を中心に、1600億円を超える大減税が実施されているではありませんか。法人事業税は、外形標準課税導入後も、所得割への2割の超過課税が可能です。資本金1億円を超える大企業への超過課税実施で、昨年度ベースで80億円の税収が見込まれ、新たな法定外税導入とは違って、その気にさえなれば直ちに実現可能です。知事がわざわざ創った、加藤寛氏らの「税財政研究会」でさえ、導入検討を提言しているではありませんか。決断すべきであります。お答え下さい。
 同様に、大企業への法人県民税均等割りの超過課税も必要です。現在、均等割りは、資本金1000万円未満の企業が年間2万円にたいし、50億円以上の巨大企業が80万円と、その格差は40倍です。26年前には100倍あった格差が改定のたびの大企業優遇策で、縮まったのです。ここでも、資本金1億円を超える大企業に2倍課税をすれば、約20億円の財源がうみだせます。大阪府では、すでに導入しているではありませんか。職員や県民にばかり傷みを押し付けるのではなく、担税力のある企業にも、きちんと責任を果たさせるべきであります。お答え下さい。

(3)男女共同参画の促進、真の男女平等について
 次に男女共同参画の促進と真の男女平等についてです。男女共同参画社会基本法施行から5年。全国で条例制定が進み、遂に千葉県は唯一条例のない県となりました。県は、国の調査にたいし「条例の検討はしていない」と回答し、知事は、「県が音頭をとらなくても県内至るところで男女共同がどんどん進んでいる」と明言しています。本当にそうなのか、実情に即して伺います。
 第一は、政策や意思決定の場における女性の参画についてです。法にもとづく審議会での女性の割合はわずか16%で全国46番目、トップの鳥取県40%の半分にも満たない大きな遅れです。なぜなのか。調べてみると、県は、防災や交通安全、区画整理など6つの審議会を、女性の比率を高めるべき対象からわざわざ除外していました。しかも40都道県が実施している公募制度も全く検討せず、広く県民に門戸を開くことによって、女性比率を高める、その可能性をも閉ざしています。これでは女性の声は届きません。こうした姿勢を改めて、女性比率向上に本腰で取り組むべきですが、どうか。お答え下さい。
 第二は、雇用の場における男女平等についてです。女性の賃金は男性の半分程度、千葉県の30代の女性の労働力率は全国42位と低く、結婚、出産、育児で会社を辞めざるをえない女性が多くいます。この現状からみても、安心して働き続けられるサポート体制づくり、そして男女差別の是正を企業に強く迫る県の毅然とした姿勢、この二つがどうしても必要です。とりわけ、企業への指導という点では、知事も一度は県条例案で男女共同参画への企業のとりくみ姿勢を入札業者選定の際に考慮する方向を示したわけですから、それを実施したらどうですか。また神奈川県が実施しているように、男女共同参画促進の各項目で企業に報告を求め、必要な是正指導を行うべきではないですか、併せて伺います。
 第三は、女性に対するあらゆる暴力の根絶と自立支援についてです。女性サポ−トセンタ−が設置され、相談機能の拡充や一時保護の拡大が進められましたが、保護や自立支援を必要としている女性の立場で十分に対応できているでしょうか。
先日、二人の乳児をもつ母親が「暴力を繰り返している元夫から『明日までに子どもを渡さないと何をするかわからない』と脅迫されている。避難したい」と、サポートセンターに助けを求めました。ところが、実際に保護されるまで、なんと27時間もかかりました。唖然としたのは県の対応です。「2度目の入所はだめです」「自分で民間シェルターと交渉しなさい」「お金があるならビジネスホテルへ」など、実に冷たいものでした。2度目の入所は認めない、などという規定はどこにもありません。仮に、民間シェルターに保護する場合でも、県が責任をもって確保することになっているのです。マニュアルに反した対応を繰り返し、必死の助けを求めている女性の保護を渋る。これで女性をサポートするセンターと言えるでしょうか。規定も守らず、金があるならホテルへ、というような対応で、最優先すべき生命の安全と人権をないがしろにすることは許されないと思いますが、見解をお聞かせ下さい。
 私が強調したいのは、今回のケースは、たまたま県の職員の対応に落ち度があった、で済ませてはならない、ということです。15年度のDVの一時保護依頼は500件近くあり、前の年とほぼ同じですが、保護されたのはおよそ160件で70件も減っています。20室ある一時保護所の利用は1日平均7室に激減しているのですから、施設は十分利用可能です。今年の9月だけをみても、44名の保護依頼に対し、保護したのは20名です。驚くべきことは、保護しなかった24名のなかに、DV被害が確認されたり、泊まる場所がない居所ナシの方が含まれていたことです。これらの人は、身の危険を感じて逃れてきたのに、一体、どこに行けというのでしょうか。空き室があるのに保護しない、などということは許されません。保護に対する県の姿勢を再点検し、緊急かつ深刻な女性達のSOSにきちんと応えられるよう、抜本的に改善すべきです。お答え下さい。
 DV被害者が自立する上で、当面の生活資金と住まいの確保は緊急かつ切実です。この支援が不十分なため、一時保護所を出た女性が元の場所に逆戻りするケースも少なくありません。県にはDV被害者への生活貸付金制度がなく、住居確保についても県営住宅の優先入居も抽選玉を一つ増やすだけで、この間の実績はたった5人です。栃木県では独自の生活資金貸付制度をもうけ、鳥取県では民間アパ−トの賃借料を出しています。いよいよ来月から改正DV法が実施となり自立支援は自治体の責務と明記されました。法にふさわしく積極的な自立支援策を講じるべきですが、どうか。お尋ねします。
DVから逃れた親子が地域に戻った時に頼りになるのが母子福祉推進委員です。ところが県は民生委員が兼務できるなどとして、この11月で県補助金を全額カットしました。
 しかし、民生委員は地域の様々な相談に応じ、その対応に日々追われています。日常的に母子家庭の相談にのれる身近な母子福祉推進委員制度は大切です。復活継続させるべきと思いますが、どうか。お答え下さい。
 以上、今回指摘した分野をはじめ農業や自営業者など、まだまだ県内至る所で真の男女平等にはほど遠いのは明らかではありませんか。知事、こうした事態を改善しようとしたら、やっぱり条例が必要なはずです。県民参加で日本一の条例をとの知事の言葉どおり、いい条例をつくるんだという決意を、ここで明言して頂きたい、ご見解を伺います。

(4)住宅供給公社問題について
 次に、住宅供給公社について伺います。今議会に向けて県は新たな資料を提出いたしましたが、これらの資料では、いままで指摘してきた疑問はまったく払拭されません
 第1に、今回はじめて示された破産した場合の影響ですが、これは県民が、「特定調停がいいのか、どうか」を判断する重要な材料であり、本来、特定調停を申し立てる前に明らかにすべきものです。なぜ特定調停が大詰めを迎えたこの段階まで、県民に隠してきたのか。まったく県民不在のやり方だと言わざるを得ませんが、知事はどう考えているのか、伺います。
 しかも問題なのは、破産した場合の影響予測が非常に恣意的に描かれていることです。資料では、公社が破産した場合、県自身の公社への債権62億円のうち、10億円程度しか返ってこないとしています。しかし、仮に特定調停が成立した場合でも、県にもどるのは事実上14億円程度で、債権放棄も同様ですから、県への影響は破産の場合と大差ありません。昨年度の一般賃貸住宅については、1億4千万円の黒字なのに、この資料では「採算性の確保が難し」いなどと、事実をゆがめています。特優賃では、公社が破産すれば「県管理が必要になる」とか「オーナーの二次的破綻の懸念がある」などとしています。しかし、いま県は調停まで申し立てて、全戸借り上げ契約の解除をめざしています。契約解除はオーナーにとって破産とほぼ同じ結果になることを考えると、これも説明がつかなくなります。このように、破産した場合の被害を誇大に描き、なにがなんでも特定調停だという、きわめて恣意的なものだと思いますが、いかがでしょうか。
 第2に、特定調停が仮に成立した場合、その後の公社の存続についてです。現在は任意の解散はできませんが、法改正で近い将来、解散も可能になることが予想されています。もし解散となれば、公社の負債を清算するために、県民負担はさらに巨大な額に膨れ上がります。公社の解散は、公社がなくなるという点では破産と変わらないのに、銀行の取り分は、破産より特定調停の方が183億円程度多く、県に貸し出す300億円の利子約100億円も銀行の儲けになります。結局、特定調停成立後の解散は、県民負担による銀行救済だといわれても仕方がないと思いますが、知事の見解を伺います。
 第3に、資料には「赤字経営に至った要因」が書かれていますが、これは現象面の羅列に過ぎません。たとえば、「バブル経済崩壊に、…適切に対応することができなかった」とありますが、なぜ方針を見直さなかったのか、その解明がありません。また「資産評価が簿価で計上され」ていたことが、「正確な経営状況が把握しづら」い要因だったように記述されていますが、2002年9月議会で、わが党の小松敦議員が、時価を明らかにするよう求め警告を発したときも、県は、「含み損は把握していない」などと答え、聞く耳を持ちませんでした。そしてなにより問題なのは、米沢団地という無謀きわまる事業に手を染め、疑惑にまみれたことへの反省が、ただの一言もないことです。これは、およそ赤字要因の分析とはほど遠いものです。経済情勢を誤り、警告もきかず、赤字の真の要因を直視せず、疑惑も解明しない、これでどうして大変な県民負担を受け入れられるでしょうか。知事の見解を伺います。

(5)水害対策について
 最後に私が住む松戸市での水害対策についてです。台風22号で国分川と、その上流春木川周辺を中心に、松戸は県下最大の326件の床上及び床下浸水となりました。「道路は濁流の川となってオ−トバイが流れ、家の中は腰まで水。冷蔵庫も倒れ家財道具も車も皆ダメになった」など被害は極めて深刻です。ところがその治水対策の一つである国分川の都市基盤河川改修事業はまだ3分の1が未完成で計画では完成は3年後、住民の不安は募るばかりです。県としても特別に支援し、前倒し完成を図る必要があるのではないでしょうか。お答え下さい。以上で1回目の質問を終わります。

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