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【2004年 2月県議会】代表質問への答弁と再質問(04/03/05) |
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日本共産党みわ由美議員の1回目の質問への答弁
答弁者 堂本暁子知事
共産党の三輪由美議員の代表質問にお答えいたします。
最初の御質問は、まず私の政治姿勢で、その中のイラク派兵について、これは憲法違反だと思うが、知事はどう思うかという御質問でございます。まず第1に申し上げたいことは、ここは国会の外務委員会ではなくて千葉県議会だということなんです。あくまでも外交は国の所管すべきことだと私は認識をしているので、ここで知事としての意見を申し上げるつもりはございません。個人的にお聞きになるのであれば、自衛隊のイラク派兵は国会でお決めになったことです。そして、今、現実にイラクに派兵されているわけですけれども、テロのニュースが連日報道される中で、現地の治安情勢は大変懸念されるところがあります。私は、1人も欠けることなく無事に帰還していただきたいと思っております。
第1空挺団の初降下訓練行事へ参加したことについての所見を求めるということでございますが、県民の生命、財産を守る立場にある知事として、常日ごろから警察、あるいは消防、あるいは県内の自衛隊など、防災関係機関と密接な連携をとっております。その一環として参加したものでございます。
次に、自衛隊の問題の続きで、陸上自衛隊先遣隊の成田空港利用は、軍事的利用はしないとの取り決め違反だ。国に抗議し、二度と軍事的利用することのないよう厳重に申し入れるべきと思うが、どうかとの御質問ですが、陸上自衛隊先遣隊の成田空港利用については、民間機に通常の旅客として搭乗したものと承知しております。成田空港については、昭和47年に地域住民と国等との間で軍事的利用はしない旨の取り決め書が交わされているので、成田空港の軍事的利用はないものと認識をしています。
次に、小泉内閣の年金改革法案で、県民の老後の不安は増大すると思うが、どうかとの御質問です。今回の年金改革法案は、社会経済と調和した持続可能な制度の構築と制度に対する信頼の確保等の観点から取りまとめられたものと認識をしています。年金制度が継続できなければ高齢者の生活の安定を図ることは難しいことから、制度改革に取り組まざるを得ないという現状があったというふうに私は思っています。年金制度を壊すわけにはまいりません。
次に、企業の負担はなくす一方、庶民に消費税の増税を押しつけることは許されないと思うが、どうかとの御質問ですが、消費税については県議会で決めるのではなく、国の税制調査会で議論し、御決定いただくものと思っております。
次に、住宅供給公社と企業庁の土地の売買について、県行政が信頼を失うのは当然だが、知事はどう考えているのかとの御質問です。まず、住宅供給公社について申し上げますが、私は就任以来、行政改革の一環として公社等外郭団体の改革に取り組んできたところでございます。これは、けさもご答弁申し上げたところですが、住宅供給公社については、分譲事業からは撤退し、賃貸住宅管理事業を中心に存続を図るという改革の方針を打ち出したほか、米沢団地の取得について不明朗さが報道された際には、直ちに監査委員に対して監査要求をし、不正の有無などの事実関係を明らかにするよう努めてまいりました。こうしたある種のうみがきちっと出されない限りは、本題を検討することも難しいという事態があります。今後とも係る事案の再発防止に全力を挙げ、県民の信頼回復に努めてまいります。また、企業庁の不祥事については、県政への信頼を損なうようなことになり、大変残念に思っております。直ちに企業庁長に再発防止策をとるよう指示いたしました。また、企業庁以外の県庁の部局においても、今後、このような事態を招くようなことがないよう十分に注意するよう指示をいたしました。これから本当に県庁として気をつけていきたいと思っております。
次に、知事の政治姿勢についての、財務関係規定の見直しなどを行い、入札関連情報を広く県民に公開できるような措置を図るべきだと思うが、どうかとの御質問です。建設工事の入札関連情報については、入札結果の公表並びに予定価格の事前公表を実施するなど、開かれた入札・契約制度とするべく、従来から公開の推進を図ってまいりました。入札関連情報のさらなる公開につきましては、千葉県情報公開条例の趣旨を踏まえつつ、適正な競争の確保の観点からも今後検討課題としてまいりたいと考えております。
次に、新年度予算案についてお答えいたします。
今回、三位一体改革は、国が身軽になることだけを目的に負担を地方に押しつけているものであり、国に対して強い抗議の声を上げるべきと思うが、どうかとの御質問ですが、今回の国の対応は、地方の自由度の拡大が不十分な中で交付税等を大幅にカットするなど、地方への歳出削減だけを先行させたもので、真の三位一体の改革とは言えないものと考えております。今後とも地方分権の視点に立った改革を目指して、積極的に地方から国に働きかけてまいります。
県の巨大開発の重大な行き詰まり、また浪費にメス入らずという御質問ですが、公共事業は道路、あるいは街路、あるいは港湾の整備から社会福祉施設の整備に至るまで、県民生活の安全確保や利便性の向上、さらには地域経済の活性化などを目的として行われるものでございます。したがいまして、大事なことは、規模の大小にかかわらず、県民が真に必要としている事業、本県の将来の発展のために必要な事業をいかに効果的、効率的に執行していくかということだと考えております。大きい公共事業イコール悪いということにはならないというふうに認識しております。
私立学校への経常費補助についての御質問です。国庫補助単価と地方交付税上の算定単価は、県の経常費補助の単価を決定する際の1つの指標と考えております。極めて厳しい財政状況を勘案しながら私学助成全体の中で検討し、単価を決定したところでございます。
私学助成も水道補助も再考が必要だが、どうかという御質問ですが、私学助成や市町村水道補助金については、住民負担の軽減を図るため、いずれも重要な役割を果たしていると認識しています。しかし、本県財政は危機的な状況下にございまして、新年度の予算編成に当たっては、聖域を設けることなく歳出の抑制を図ることとしたため、これらの補助金についても一定の削減は避けられませんでした。なお、これらの補助金の重要性や県民生活への影響も十分考慮し、部局枠での措置に加え、調整枠経費を最大限活用し、予算計上したところでございます。
県の強引な合併誘導は改めるべきであり、市町村合併経費の削減を要求するが、どうかとの御質問です。県としては、あくまでも自主的な合併を支援しておりまして、合併に際して強引な誘導をしてはおりません。その準備や新しいまちづくりに多くの経費を要することから、必要な支援を行っております。
千葉市の畑通勤寮について存続すべきではないか。高齢者にせよ、障害者にせよ、必要な各種施設の重要性を正しく評価して十分な予算をつけるべきだと思うが、どうかとの御質問です。今後、県が福祉を進めるべき方向としては、だれもがありのまま、その人らしく地域で暮らすことができるということを基本と考えています。社会福祉施設については、その専門性や人材は地域における福祉の専門的拠点として、施設のみならず、地域における福祉の推進にも寄与するものと考えています。県の財政は極めて厳しい状況にありますが、今後とも必要な施設の確保には努めてまいります。なお、畑通勤寮については民間で運営可能な施設であり、県立の施設として存続させる必要性は乏しいと考えています。
法人事業税の超過課税を強く要求し、知事の決断を求めるが、どうかとの御質問です。法人事業税を含めて、県税の超過課税については千葉県税財政研究会から提言をいただいたところでございまして、現在、庁内の税制検討委員会において検討を行っているところです。この問題は県民の税負担にかかわることですので、県民の理解を得られるよう十分に議論を尽くす必要があると考えております。
次に、県立高校の再編についてお答えいたします。
知事として、生徒や自治体の長、関係者の要望等に対する考え方の御質問ですが、少子化に伴い、ピーク時の平成元年に9万8,000人いた中学校卒業者が現在約5万9,000人と、半分近くに減っております。今後も減少が予想されることなどから、高校再編は実施せざるを得ないと考えています。県教育委員会では、さまざまな意見、要望などを真摯に受けとめ、計画を進めているものと思っております。
知事は高校生の訴えを直接聞くべきだとの御質問ですが、高校生が会いたいと言っていたことは、確かに報告を受けて知っております。また、実際に先日、千葉駅でも、高校生から直接に訴えを受けたこともあります。高校再編については、知事への手紙やメール、それから、なの花県民会議を通しても直接伺っております。先ほども申し上げましたけれども、中学校卒業生が半分近くに減ってしまうという状況の中で高校再編は進めざるを得ない、そういう状況にございます。しかしながら、在校生や卒業生が愛校心から反対する気持ちはよく理解できます。
開かれた県政とは、意見を聞くだけで計画案を強行することかとの御質問ですが、県民の意見を聞いたり、パブリックコメントを実施したりすることは、県民の声を取り入れるために行うことなんです。県民が主役の県政づくりということを一番高く掲げている私としては、このような方法をとらせていただいております。それでは、県民の意見をすべて聞き入れることができるのかということになりますが、そしたら高校再編はできなくなってしまうということだろうと思います。教育委員会も困難な局面に立っていると思いますけれども、先ほどから何度も申し上げているように、高校再編をやらなくて済むのであればやりませんけれども、生徒がおよそ半分になっていく、そういった中でやらざるを得ないという実情があることは御理解いただきたいと存じます。
次に、国民健康保険についてお答えいたします。
千葉市で起こった悲惨な事件について感想を述べよということなんですけれども、私は、亡くなった個人の状況については正確に存じません。そういう事実があったとすれば、それは大変残念なことだったと思います。
滞納者への機械的な保険証の取り上げ中止などを県の文書で通知し、改善を図るようにとのことですけれども、資格証明書の交付は、市町村がその交付事務を通じて、できるだけ被保険者と接触する機会を確保し、適切な納付相談に努めるものでございます。市町村に対して、被保険者の個々の実情を十分に勘案して適切に運用するよう、定期指導等を通して指導しているところです。
市町村に対して補助金を大幅に増額すべきだとのことですけれども、平成16年度の市町村国保に対する県からの財政支援としては、保険基盤安定負担金及び高額医療費共同事業負担金で52億7,220万円の助成を予定しているところであり、前年度に比較して約5億7,000万円の増加となっています。また、被保険者証のカード化などの新たな課題に取り組む保険者を支援するため、県の厳しい財政状況の中で、県単独事業として国保被保険者支援事業を創設し、新年度予算に計上しているところでもあります。
国に対して、国庫負担を医療費総額の45%に戻すよう厳しく求めるべきであるとの御質問ですけれども、県としては、国保制度が長期的に安定した制度となるよう、構造的問題の具体的な解決策を講じること等を、全国知事会等を通して国に対して要望しているところでございます。
市町村に通知を出すなどして、国保法44条を生きたものとする必要があるのではないかとのことですが、保険者である市町村は、災害や農作物の不作等により、医療費の一部負担金の支払いが困難であると認められた者に対し減免等ができることになっています。減免等に当たっては、保険者である市町村が地域の事情や被保険者等の生活実態に即して適正に運用すべきものと考えております。
答弁者 白戸章雄副知事
八ツ場ダムについての御質問3問にお答えいたします。
まず、長期水需給見通しで、国立社会保障・人口問題研究所の最新データを使わないで過大な県人口の数値を出すのはなぜかとの御質問ですが、国立社会保障・人口問題研究所では、平成12年から平成17年までの本県人口の増加を年平均2万2,000人と推計していますが、平成15年までの3年間における本県人口の実績は、年平均3万4,000人が増加し、推計を上回る大きな伸びを示しています。県では、平成27年度における水需給見通しにおいて、こうした最近の人口動態や全国平均を下回っている水道普及率の向上を考慮し、県内の水道事業体の推計値である622万人を適切な給水人口と評価したところです。
次に、長期水需給見通しで1人1日最大給水量を441リットルとした根拠は何かとの御質問ですが、平成27年度における1人1日最大給水量441リットルについては、県内の各水道事業体の水需給見通しを基礎として算定したものです。水道水源は、各水道事業体がそれぞれ将来の水需給を精査し、必要量を確保することが基本であり、県としては、核家族化の進展などの増加要因や、現在の全国平均実績を下回る推計値であることを考慮すると過大ではないと考えています。
最後に、ダム建設は根本に立ち返って再検討すべきではないかとの御質問ですが、八ツ場ダムは、利根川の河川計画で下流の流下能力を超えないよう洪水調節する上流ダム群のうち約1割を受け持つ重要な治水施設であります。また、既に利水参画量の約3分の1を暫定水利権により取水するなど、本県にとって必要な施設と考えております。なお、今後の事業実施に当たってはコスト縮減に徹底して取り組むよう、国に対し強く要請してまいります。
答弁者 大槻幸一郎副知事
私からは、三番瀬についてと千葉県安全で安心なまちづくりの促進に関する条例についてお答え申し上げます。
まず、三番瀬の再生に当たりましては、手を加えることは極力避けるべきだが、どのように考えるかとの御質問でございます。三番瀬再生計画案では、再生の基本的な考えとして、かつての干潟を中心とした三番瀬の環境をできる限り復活するというような視点に立った自然再生が不可欠であるとされております。また、自然再生を実施する際には、小規模に試しながらその結果をモニタリングして軌道修正していくという、いわゆる順応的管理の手法を取り入れる必要があるということが提言されております。県といたしましては、これらの提言を尊重しながら計画を策定するとともに、注意深く慎重に事業を進めていきたいと考えております。
次に、ラムサール条約に登録されるよう、県として責任を持って取り組むべきとの御質問でございますが、三番瀬がラムサール条約に登録されることにつきましては、多くの方々が関心を持っているところでございます。三番瀬再生計画検討会議からも、早期に関係者の合意形成に努めるよう提案があったところでもございます。条約に登録するためには、国指定鳥獣保護区特別保護地区に指定されることや、地元利害関係人の賛意が得られているというようなことが必要であるために、国はこれらを踏まえまして判断するというふうにしているところでございます。今後県としましては、再生計画を策定していく中でラムサール条約登録への取り組みについて検討していきたいと考えております。
次に、三番瀬の再生計画が知事に手渡されたのを機に第二東京湾岸道路は断念すべきだと考えるが、どうかとの御質問でございます。本県の京葉臨海部におきましては、御存じのとおり、大変慢性的な交通混雑が生じているところでございまして、今後も成田空港の機能の充実や幕張新都心の進展などによりまして、ますます交通需要が増大するというようなことが考えられることから、第二東京湾岸道路の整備が必要であると考えているところでございます。そのため本道路の計画につきましては、三番瀬再生計画検討会議からの提言を踏まえまして、県として三番瀬の再生計画を具体的に策定した後に、その計画と整合性がとれるよう、国の協力を得ながら幅広く検討を進めてまいりたいと考えております。
次に条例に関してでございますが、お答え申し上げたいと思います。十分県民の意見を聞いたのかどうか、その所見はどうか。また、なぜ自治会からの意見も聞かずに条例をつくろうとしたのか。さらに、条例案は取り下げて、十分な時間をかけた論議を改めて行うべきではないかとの御質問がございましたが、あわせてお答え申し上げます。
平成15年度県政に関する世論調査でも、犯罪防止対策を求める声が県政への要望として第3位と、上位にございました。また、犯罪発生状況は、戦後最高でございました平成14年に続きまして、平成15年におきましても約16万4,000件と極めて深刻な状況にございます。このような中で、昨年10月に行いました地域の安全に関する県政モニターアンケート調査の結果を見ましても、自分の身近な生活空間におきまして犯罪の発生が多くなっていると感じている方が80%近くに上っているなど、県民の皆様の不安感が増大しており、県民の要望にこたえるためにも、一刻も早い条例の制定が必要であると考えたものでございます。本条例案を策定するに当たりましては、有識者懇談会の意見を初め、可能な限り市町村や県民からの意見を伺ってまいったように考えております。今後、本条例に基づきまして具体的な施策を展開していくためには、基本方針や道路、公園などに関します指針を策定していく必要がありますが、その都度、県民の皆様の意見を伺いながら、安全で安心な千葉県づくりに早急に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、警察権力などがこの条例を根拠にして市民生活に介入することのないよう、条例本文に明記すべきではないかとの御質問でございますが、本条例の基本理念は自立と相互扶助の精神でありまして、また基本的人権の尊重にもございます。基本理念は、本条例を運用する根本にあるものでございまして、市民生活への介入などはあり得ないと考えておりますし、あってはならないというふうに考えているところでございます。
次に、防犯カメラの設置は有識者懇談会の提言にある運用規則を条例に書き込むべきだと考えるが、どうかとの御質問でございます。有識者懇談会の提言は、安全で安心なまちづくりについての幅広い意見をいただいたものでございます。提言の内容は、防犯に関しての基本的な考え方から個々の問題に対する具体的な手法まで非常に多様な項目が含まれているところでございます。本条例は防犯の基本となる条例でございまして、いわゆる個々の手法については基本方針や指針策定の段階において検討すべきものと考えております。なお、防犯カメラは防犯設備の一種でございまして、個々の手法と考えられまして、したがって、条例には盛り込まないというようにしたところでございます。
次に、条例には賞揚の規定があるが、賞揚金を交付することはないものと確認してよいかとの御質問でございます。賞揚は、現行犯人を逮捕したり、犯罪の被害者の救護に当たった方で、その行為が県民の模範となるような方について褒めたたえることができることを規定した制度でありまして、その適切な運用を図ってまいりたいと考えているところでございます。
答弁者 清水新次教育長
私からは教育委員会に係ります12問にお答えいたします。
初めに、県立高等学校の授業料引き上げと博物館・美術館の有料化について撤回すべきと考えるが、どうかという御質問でございますが、県立高等学校の授業料については、これまでも国の地方財政計画における額の改定の状況等を見ながら改定を行ってきたところでございまして、このほど示されました平成16年度の地方財政計画における公立学校の授業料の額の改定状況及び他の都道府県の授業料改定の動向等を踏まえまして、本県においても、平成16年度の入学者から授業料の額を改定しようとするものでございます。また、県立博物館につきましては、受益者負担の適正化や博物館活動の充実を図る観点から、平成15年の12月議会におきまして使用料及び手数料条例の一部改正を御承認いただきまして、入場料等を本年4月から有料化することとしたところでございます。
次に、国の責任による本格的な少人数学級の実現を求めるべきと考えるが、どうかという御質問でございますが、本県では、これまでも教育水準の維持向上の観点から、少人数学級実施のための定数措置を行うことを国へ要望しているところでございます。
次に、県の責任で、少人数学級拡大のための先生をふやすべきではないかとの御質問でございますが、職員定数は国が措置することが基本でございまして、本県の厳しい財政状況を考えますと、少人数学級拡大のための教員を県単独措置によりふやすことは現状では困難であるというふうに考えております。
次に、高校の統合について、県民の理解と協力が得られていると考えているか。また、なぜ反対運動が広がったかという御質問でございますが、昨年の11月に発表いたしました第2期実施プログラム案につきましては、各種広報媒体による広報、パブリックコメントの実施、県主催の説明会の開催、各団体への説明と意見の聴取などを行いますとともに、再編対象校の同窓会や地元市町村、自治会の求めに応じまして随時職員を派遣し、説明を行って、理解と協力が得られるよう努めているところでございます。再編計画につきましては、県民から賛否両論の御意見や御要望をいただいておりますが、特に再編対象校で学校の存続を求める意見があることについては十分承知しているところでございます。
次に、生徒、自治体の長や議会、関係者の要望に真摯に対応すべきではないかという御質問でございますが、これまでにいただきました御意見や要望等は、高校再編への県民の願いや期待として真摯に受けとめているところでございます。特に再編対象校について、自治体、学校関係者などから寄せられております御意見等につきましては、再編計画の理念に照らしまして検討を加えて決定してまいりたいというふうに考えております。
教育長は高校生の訴えを直接聞くべきではないかという御質問でございますが、高校生の意見や要望等につきましても、当該学校の校長や担当職員を通しまして、その都度報告を受けておりまして、内容については十分把握しているところでございます。
次に、統廃合計画は白紙撤回して抜本的に見直すべきではないかという御質問でございますが、県立高等学校の再編計画は、生徒減少の中で生徒の多様化に対応して、すべての学校がより活力と魅力あふれる学校となるよう、学識経験者を初め各界の方々にも御参加をいただきまして、県立学校再編計画策定懇談会などで十分な協議をいただき、その全体計画を策定したところでございます。具体的な計画に当たる実施プログラムでございますが、この再編計画の理念に照らしまして策定したものでございまして、本県の将来を担う子供たちがその個性や能力を最大限に生かして充実した学校生活を送れるよう着実な推進が必要であるというふうに考えているところでございます。
次に、LD等の子供たちのための教員の増員を国に強く働きかけるべきではないか。また、県単定数で教員を確保すべきと思うが、どうかという御質問でございますが、児童・生徒1人1人の支援体制の整備にかかわる人的措置につきましては、小・中学校の特別支援教育コーディネーターの配置にかかわる加配や、通常学級において指導、支援を行う際の1学級当たりの児童・生徒数の基準の緩和等を国に要望しているところでございます。また、教員定数は国が措置することが基本でございまして、厳しい財政状況の中で県単定数をふやすことは困難であるというふうに考えているところでございます。
次に、現在の特殊学級とその担任教師が果たしている役割についてどう認識しているか。また、特殊学級の存続を国に働きかけるべきと思うが、どうかという御質問でございますが、これまで小・中学校における特殊学級では、障害種別に応じた専門的な指導が行われてきたというふうに認識しております。一方、障害の状態に応じて、必ずしも固定された学級ではなくて、通級によって必要な指導、支援が受けられる弾力的な仕組みも求められておりまして、県教育委員会といたしましては、学級のあり方について今後とも国の動向等を踏まえながら検討してまいりたいというふうに考えております。
次に、特別支援学校のあり方は関係者の十分な合意に基づき論じられるべきではないかとの御質問でございますけれども、県教育委員会では、ノーマライゼーションの進展に対応した障害児教育の検討会議におきまして、国の調査研究協力者会議の最終報告を踏まえまして、本県における具体的な特別支援学校のあり方等について御意見をいただいているところでございます。
次に、養護学校の教室不足を解決すべきであるという御質問でございますが、児童・生徒の増加が著しい学校につきましては、必要に応じまして教室や作業棟などの増築を行うほか、特別教室等の改装などで教室の確保に努めているところでございます。
最後に、子供の命の安全が十分守られるためにも、県の予算で直ちに看護師を配置すべきとの御質問でございますが、本県では看護師配置調査研究事業を実施いたしまして、この中で県立養護学校9校に指導医や看護師を試行的に配置して、経管栄養、吸引、自己導尿、この補助等の医療的ケアの実践研究を進めてきたところでございます。県教委といたしましては、これらの成果を踏まえながら、今後とも医療的ケアのあり方について検討する一方、看護師配置に係る制度的な支援を国に対して要望してまいります。
日本共産党みわ由美議員の2回目の質問
それでは、再質問をさせていただきます。初めに、成田空港の軍事利用の問題です。知事、新空港は純然たる民間空港のためのものであり、軍事利用させることはないと、これが取り決め書の内容であります。現に取り決め違反が行われているのに、お認めにならない。重大です。自衛隊は明らかに部隊編成され、防衛庁長官の命令を受け動いています。これは軍事行動そのものであります。知事、そうでないとおっしゃるのならば、知事の言う軍事利用とはどういうものを指すのかお答えください。
次に、イラクへの自衛隊派兵の問題ですけれども、憲法違反かどうかということについては答えられないということです。しかし、知事はかねがね平和憲法が大事だとおっしゃっておられました。だから、聞いているんです。要は、堂本知事は自衛隊のイラク派兵が憲法違反とは言えない知事さんだということですね。戦争が続く占領地域に出かけ、米軍の軍事作戦への支援を行う。これを憲法違反と言わずして、何と言うのでしょうか。武力行使を禁止した憲法9条を真っ向から踏みにじる行為であることは明々白々ではありませんか。だから、国立市の上原市長は首相に抗議の意見書を送り、高知県の知事も、イラク国民への支援と軍隊派遣は整合性がない、平和憲法を貫くべきだと県民に明言しています。ところが、知事は、かねがね平和憲法が大事だと口ではおっしゃりながら、じゅうりんされても意見一つおっしゃらない。知事の憲法認識はそういうものだったのかと認識せざるを得ないのですが、知事、それでいいのですか。お答えください。
さらに、政治姿勢の問題で、企業庁の土地分譲問題にかかわってお聞きをいたしました。財務規定の問題では今後検討していくということでありますけれども、今、県政の信頼が大きく揺らいでおります。そういうときだからこそ、徹底した改革が必要であります。我が日本共産党がこの問題でも何度も聞いたにもかかわらず、必要な情報を明らかにしなかった。知事、必要な情報はすべて明らかにするよう、この検討については抜本的な見直しという方向で進めていただきますよう改めて強く要求し、再度お伺いをいたします。
次に県政運営の問題ですが、巨大開発についてお聞きをいたしました。しかし、やはりまともに答えていただけない。破綻をお認めになりません。しかし、知事、かずさは1期10年で、もう13年たっております。いまだに150ヘクタールの企業用地のうち、進出は13ヘクタール。1割に満たないんです。かずさの就業人口だって、21世紀初め、2000年には1万8,000人のはずでしたが、今600人ですよ。常磐新線沿線開発についても、流山市木地区の区画整理事業、191億円かけたけれども、時価は25億円。行き詰まって、とうとう流山市に移管しようとされている。これ、明らかに破綻じゃありませんか。そうじゃないとおっしゃるんですか。なぜ県の開発がここまで破綻に陥っているのか。それは何度も指摘しておりますように、架空とも言える過大な見積もりをしているからだと言わざるを得ません。常磐新線で言えば、会社が茨城も含め全体でふえる人口は9万人だと言っているにもかかわらず、千葉県は柏、流山だけで10万4,900人だとおっしゃる。八ツ場ダムでも、平成27年の千葉県人口が609万人だというのに、県の見積もった給水人口は622万人だとおっしゃるんです。知事、こういう架空とも言える過大な見積もりでどんどん事業を進める、税金をつぎ込む。だから、破綻するのではありませんか。もう1度はっきりとお答えいただきたい。
そして、その一方で、破綻のツケがお年寄りや障害者、自営業者、子供たちに押しつけられているのではないでしょうか。
第1は、福祉の問題です。知事は、必要な施設の建設には努めていくと答弁されました。しかし、新年度予算はどうでしょうか。特別養護老人ホームも、待機者が1万4,000人もいるのに、予算は60億から45億へとばっさり切っています。施設から地域へと言って、知的障害者のためのたった1つの畑通勤寮を募集停止しましたが、ここは知事、地域にとっても、なくてはならない大事な施設でした。施設から地域へなどと言って地域福祉の基盤すらなくしていく、そういうことにはなりはしませんか。こういう地域に密着している施設を全県に広げ、地域の拠点にしてこそ、地域福祉も広がっていくのではないでしょうか。住民の皆さんからの要望を受けた際、知事自身もそうおっしゃったじゃありませんか。きちっとお答えください。
第2は、国保の問題です。現に知事の目の前で、国保証がなくて医者にかかれなくて人が亡くなっている、命が断ち切られているのに、そうだとしたら残念だということで、実に淡々とした―いろいろと聞きましたけれども、いつもどおりの答弁でありました。私、そういう態度、そういう県の傍観者的な姿勢、これ、許せないと。こういう姿勢を改めていただきたいと思うんです。どんどん滞納者も国保取り上げもふえています。県民の命の危機であります。そういう姿勢こそ改めていただきたい。当然補助金もなくすのではなく、きちっと市町村が支援する形で保険料を安くできるような、そういう形で補助金を増額してください。お答えください。
第3は、教育の統廃合の問題です。何度も教育長、生徒の減少、生徒の減少とおっしゃいますけれども、知事もやらなくて済むならとおっしゃいましたけど、やらなくて済むんですよ。平成元年から比べれば、確かに生徒は減りました。しかし、これからはもう減らないんです。これが常識じゃありませんか、いろんな資料を見たって。ふえる学区だって、あるんですよ。そして、平成元年当時から比べて―あの平成元年の大変な過密の状態。教育長、この過密な状態がいい教育条件だとおっしゃるんですか。お答えください。ふえる学区だって、あるでしょう。きちっと県の見積もった試算の中だって、あるじゃないですか。ふえる学区、どこですか。お答えください。多様化、特色化などと言って学校を減らす。逆ですよ。学校を減らせば選択の幅が狭くなっちゃうじゃないですか。
教育長、理解と協力、結局得られていない、こういうことですね。しかし、昨日の答弁では、理解と協力が得られていないのに、もう新年度の早い時期に決定すると、こういうふうに教育長はおっしゃいました。これ、とんでもないことであります。ぜひ教育長、そして知事、これ、どちらにも答えていただきたいんですけれども、理解と協力が得られていないのに決定だけ新年度早々やる、こういうことは絶対に認められませんよ。理解と協力を得られなくても決定だけできるとおっしゃるのなら、その理由を述べてください。これだけ全国で最大規模の大きな署名運動が1期、2期続けて起こっております。子供たちや生徒たち、県民からの願いに今こそ真正面からこたえていく、これが千葉県の姿勢、千葉県の本当の教育だと思うんです。撤回をしてください。見切り発車で進めることは絶対なりません。御答弁をいただきたいと思います。
日本共産党みわ由美議員の2回目の質問への答弁
答弁者 堂本暁子知事
再質問に答弁する前に一言申し上げますけれども、目標にいろいろ達成してない。例えばかずさの問題、あるいは流山の問題をおっしゃいましたけれども、一体世界が、日本が、このわずかな間にどれだけ激しく変わったんでしょうか。知事の仕事というのは、その時代の急激な変化に対応しないでもしやったとすれば、これは大変なことになります。バブルの崩壊があったからこそ、これだけ厳しい県の財政の状況……。
(「バブルの前から私たちは指摘をしていました」と呼ぶ者あり)
(続) そのときは存じませんが。今これだけ財政が苦しいときに、今議員がおっしゃった補助を一体どこから捻出するのか、その財源が一体どこにあるのか、まず、それを伺いたいという気持ちがありますが、いずれにしても、これだけ……。
(「バブルの前から指摘しているじゃないですか」と呼ぶ者あり)
(続)その前のことについては、私は、この点については何とも申し上げようがございませんが、少なくとも知事に就任してから後については、この時代の急激な―がらがらと音を立てて世界が動いています。日本が動いています。その日本の中の千葉県です。千葉県だけが例外的ではないし、むしろ千葉は高度経済成長期に大きな成長をしたからこそ、今また、大きな落ち込みを経験しているということも言えると思います。
そういったことだけを申し上げて、まず成田の問題からお答えしたい―その前に憲法の問題ということもおっしゃいましたけれども、イエスかノーかという聞き方に対して、私はお答えできません。憲法の掲げる平和主義、これは、日本人はだれだって、それに反対していません。今後とも私たちが引き継いでいくべき基本理念だと思っております。平和を求める国民みんなの思いとして、憲法9条において戦争の放棄を明文化していることが国際社会の中で大きな影響を与え、世界平和に今まで50年間貢献してきたと思います。私は自分でバグダッドにも行きました。でも、そのときに言われたことは、日本は兵器をつくらなかった、売らなかったということなんですね。それは憲法があったからなんです。しかし、これだけ時代が大きく変わり、そして国で決めて自衛隊が派遣されている。これはイラク新法に基づいて、人道復興の支援活動として今は派遣をされています。一日も早い平和がイラクにもたらされることが大変大事だと思っておりますし、そして、これの続きとして答えさせていただければ、成田空港から飛び立っていかれたということについては、これは先ほどもお答え申し上げたように、自衛隊の方たちは民間機に通常の旅客として搭乗したものという認識を持っております。
あと、巨大開発についてということですけれども、今申し上げたような中で、確かにかずさの人口が予定しただけの人数になっていないかもしれません。しかし、だからこそ、これからの21世紀型産業の集積地として、新しくまた、さらに力を加えて国際レベルに通用するかずさにするべく、必死になって今努力をしているところです。
そして、福祉施設の整備に関する予算がカットされたというふうにおっしゃいますけれども、県としては、福祉の問題で申しますと、それは潤沢に補助できれば、それにこしたことはありません。しかし、財政状況の中で、市町村の国保事業を支援するために可能な限りの対応はしているつもりでございます。そして、先ほども申し上げたように増額もしているわけなんです。それから、在宅の基盤となるグループホームやデイサービスセンターの整備にも努力をしております。
また、もう1つは、財務規定を抜本的に見直すと確約してほしいという御質問が再質問でございました。入札関連情報のさらなる公開については、千葉県情報公開条例の趣旨を踏まえつつ、適正な競争の確保の観点からも今後の検討課題としていきたいと考えております。
答弁者 清水新次教育長
私からは、平成元年の状況はいいというふうに考えているのかということでございますが、平成元年がピークでございまして、そのときにはプレハブ等の校舎もあったやに聞いております。そういう状況が決していいとは思いませんが、これから平成元年のような状況になるということはまず考えられないというふうに考えております。
それから、ふえる学区があるのではないかという御質問でございますが、私どもの方で持っておる数字では、どの学区も平成元年度のピーク時に比べまして減少が続いておりまして、一部、現状維持ないしそういう部分はございますけれども、ほとんどの学区において減少するというものが、私どもの方が持っているデータでございます。
それから、理解と協力が得られていないのに、決定だけ早い時期にやるのかということでございます。その理由でございますけれども、これは現在いろいろな御意見等がございますので、その御意見や今回のこの議会での議論、論議、こういったものも踏まえながら、高校再編の理念に照らして決定作業というものを進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
それから、合意なくして強行してはいけないのではないか、撤回してくださいというような、そういうお話だったかと思いますけれども、案を示してから既に3カ月以上かけまして、パブリックコメントや意見交換等によって、県民初めいろいろな方々の御意見を聞いてきているところでございます。これから、先ほど申し上げましたように、さらに議会での論議を踏まえながら、再編の理念に照らしましてしっかりと検討を加えて、最終的には教育委員会会議で審議し、決定していただくということになるわけであります。
答弁者 堂本暁子知事
高校再編に関してでしょうか。とすれば、私も何度も何度も申し上げましたけれども、それぞれ自分の学校に対しては愛校心が、だれだって、あります。ですから、どこにでも反対はございます。ですけれども、それでも皆さんの意見を聞きながら、教育長としては、できるだけ今の在校生や、そして同窓生の方の意見を聞きながら平和裏に作業を進めていくという努力をしているわけですけれども、およそ生徒の数が、中学校卒業生が半数になるという中で……。
(「ならない」と呼ぶ者あり)
(続)じゃ、そのデータをお示しください。きょう、ここでならない、なるということの議論はあれですが、きちっとしたシミュレーションをした方がいいと思いますので、それは後でデータをいただきたいと思います。
日本共産党みわ由美議員の3回目の質問
知事、間違っています。今、この時点から生徒が半分に減るなんていうことじゃないんですよ。平成元年当時から比べて減る。確かに減っているんですよ。だから、高校は1学年10クラス―先ほど答弁ありましたよね。過密状態ではなくて、1学年6クラスとか、5クラスとか。生徒が減ることによって整備をされ、小さな学校のよさが生かされてきた。私、統廃合対象の校長先生とも会いましたけれども、そういう小さな学校になったからこそ、中途退学だって減ってきている、教育効果が上がっている。これが教育条件のいわば整備につながったわけですよ。それをまた逆戻りさせようという、こういう議論は、知事、認識が間違って、そんな状況で統廃合を15校も決めるというんですか。教育長、どういうことですか。再度答弁、どちらもしてくださいよ。こんな基本的な数を認識してないで統廃合を決めるなんて、とんでもないですよ。
私、これで最後ですから言わせていただきますけど、知事、開発についても、架空とも言える数字を挙げてどんどん税金をつぎ込む。八ツ場ダム、日本一の金食いダムじゃないですか。国民にも県民にも負担を背負わせる。そして、取り決め書の約束も守らない、福祉施設は減らす、国保の補助金もばっさり削る。こういう県政、本当に開かれた県政じゃないですよ。県民が主人公の県政を目指して……。日本共産党は頑張ります。もう1度答弁ください。
日本共産党みわ由美議員の3回目の質問への答弁
答弁者 清水新次教育長
今回の考えております高校再編、127校程度にする、このことによりまして、大体県下の1校当たりの平均が6学級程度、都市部では6ないし8学級程度の学級規模を維持できると。そうでなければ、学校が現在すかすかの状況にあるということを御認識いただきたい。
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