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タイトル 【2001年12月県議会】2000(平成12)年度決算認定反対討論(01/12/18) タイトル

 日本共産党を代表して、2000年度の一般会計および特別会計の決算認定に、反対の立場から、討論を行います。
昨年度は、失業、倒産、リストラの増大、さらには介護保険料徴収や老人医療費の引き上げなど、県民の暮らしは、まさに非常事態でありました。こんな時だからこそ自治体は、「命と暮らしの守り手」として、大きな役割を果たさなければなりません。ところが実際は、どうであったか。以下6点にわたり、反対の理由を申し述べます。

 第1は、大企業への税の優遇が県財政を圧迫し、しかも県が財源確保の手立てを尽くしていないことです。自民党政府がすすめた法人税と法人事業税の減税により、県財政は昨年度260億円の被害をうけました。少なからぬ大企業が、史上空前の利益を上げるなかで、大企業ほど減税幅が大きい、このような優遇を認めることはできません。わが党が一貫して要求している大企業の法人事業税への超過課税の導入に、県が背を向け続けることの不当性が、いっそう浮き彫りになっています。

 第2は、巨大開発のゆきづまりを直視せず、是正の手立てがとられていない事です。昨年度も東京湾口道路への調査費は約2000万円、これまで2億円余の支出をしています。しかし、東京湾アクアラインの実態はどうか。昨年度、再度の値下げにもかかわらずさらに減収。黒字の京葉道路、千葉東金道路とプ−ル会計にしてもなお赤字で、会計全体の、収入が486億円、支出が673億円です。ところが県は、これをもって「収入、支出ともに、当初の計画よりも良好だったから、健全会計だ」と驚くべき認識を口にしながら、2本目のアクアラインに調査費を出し続けているではありませんか。
 また、企業進出が進まない「かずさアカデミアパ−ク」について、県は「明確な見通しがない」と答弁しながら、それでも2期事業の中止を決断できない。土地の賃借料については議会答弁で、「企業が進出した時には、これまで県が肩代わりして払い続けてきた分も含めて、いただく」としてきたのに、進出した富士通に対しては請求さえできない。このままでは、県民負担が増すばかりではありませんか。事業のゆきづまりを直視せず、是正の手立てをとることもしない、こういう県政運営には賛成できません。

 第3は、財政支出の全体が、農業や中小企業育成、商店街の活性化など、県内産業の発展を促進するものになっていないことです。減反の強制や青田刈り、輸入急増やコスト高による野菜の産地廃棄で、今どれだけ多くの農家が泣かされているか。ここに救いの手をさしのべるのが県の役割です。ところが、県農業予算の6割は、いわゆる土地改良など農業土木に費やされ、農家への直接支援、価格保障や後継者対策などにほとんど向けられていないのが現状です。また、官公需の県内中小企業への発注率は、4年前に比べると逆に3%の減になっており、不況にあえぐ商店街にとって、頼みの綱ともいうべき商店街振興費も、総額が少ない上に、この5年間で5億円から1億円へと激減しているではありませんか。

 第4は、県政が最も力を注がなければならない県民の暮らし福祉の向上、教育の充実、この大きな課題がうしろに追いやられていることです。県営住宅の建設は遅々として進まず、県全体の応募倍率も、過去5年間で2倍から9.3倍へと激増し、浦安市では平均119倍、市川は48倍、習志野・松戸は31倍にものぼっています。特別養護老人ホ−ムの待機者も今や8700人を越え、県全体で毎月5百人もの申し込みが増え続けていますが、昨年度1年間で県が増やしたのはたったの5施設、500人分にも満たず、何年待てば入所できることか。教育費も大幅減額で、少人数学級も、いまだに先送りされたまま。地方自治体の一番の仕事である福祉、暮らし、教育が、ないがしろにされているのが現状です。

 第5は、県民の命と暮らしを、先頭にたって守るべき県職員の数が、前年に続いて減らされた事です。県は、定員適正化などといいながら、4年間で2107名もの人べらし。その結果、教員はもとより、保健所職員、農業畜産衛生関係の研究所職員、農業改良普及員さんなど、貴重な働き手を失ったことは、大きな痛手です。また県立病院の医師や看護婦、福祉の職場でも、事実上の人手不足により、年休取得率が大変少なく、例えば県立東金病院の看護婦さんは、本来なら20日とれる年休がたったの5日。県立病院のあちこちでサ−ビス残業がおこなわれている事が、我が党調査でも明かになり、医療事故の原因にもなりかねません。県もとうとう「今年度中に、看護婦さんの労働時間調査をする」と答弁せざるをえませんでした。命と暮らしを守るマンパワ−を、削ることには賛成できません。

 第6は、県民の暮らしの実態や住民自治の原点に立った県政運営でなかった事です。今年3月、県教委の責任ですべての県立高校に「授業料滞納一掃マニュアル」なるものが配布され、「バイト勧告」の記述が大問題として、新聞報道もされました。一体なぜ、こんな事が起きたのか。県民の暮らしの深刻さ、こどもたちの本当の願い、学校現場での大変な苦労に、真正面から目が向けられていない事の一つのあらわれではありませんか。さらには昨年度、とうとう県は、銚子・海上・東庄の産廃処分場建設を許可しました。これは、県内初の住民投票をはじめ、地元自治体ぐるみの圧倒的多数の住民の切なる願いに逆らい、住民自治を踏みにじる暴挙であります。

 以上、指摘いたしました6点は、沼田自民党県政の最後の1年間が、いかに県民の願いから隔たったものであったかを、決算の上から浮き彫りにしたものです。この県政をつくり変えてほしい、これが堂本県政によせられた県民の大きな願いです。この期待に応えた県政運営が強く求められている事を、指摘いたしまして、討論を終わります。

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