|
【2000年 9月県議会】議案討論(00/10/10) |
|
|
|
日本共産党を代表して、議案と請願についての反対討論を行います。
まず、議案第1号は一般会計補正予算ですが、反対理由の第一は、今回の補正予算の中心的な性格が、景気の下支えを名目にした公共事業の追加にあるという点です。54億円の補正総額のうち、公共事業の追加分は28億円を占め、しかも、その財源のうち22億円余は借金です。代表質問でるる指摘いたしましたように、世界の常識から見て異常に膨れ上がった日本の公共事業の総額をいかに圧縮し、国民生活に密着したものに転換していくか、これは今や国と地方を通じた日本財政の最大の緊急課題です。総額先にありきで公共事業をばらまくやり方はもう終わりにすべきだ、景気対策の名で公共事業をふやすやり方はもう破綻したことを認めるべきだ、この世論の大きな流れを県は一体どう認識しているのでしょうか。知事は、日本の公共事業の異常な膨脹のもとになっている630兆円の公共投資基本計画の見直しの必要性について、ついに御自身の見解を表明されなかったばかりか、我が党の主張に対して、それは公共事業悪論だなどと、冷静さを失った発言をいたしました。こんな態度で時代の流れに背を向け、借金をふやし続ける財政運営は到底認めらません。
反対理由の第二は、県民生活にとって大事な部門の職員が削減をされていることです。保健所職員の人件費は1億円余が減額され、13人もの減員です。雪印の事件など食品衛生の問題、少子化のもとでの乳幼児医療の問題、産廃不法投棄の問題など保健所の役割がますます重くなっているときに、何ということでしょうか。また、東葛飾、長生、安房の3支庁の社会福祉課の社会係の職員も各1名減です。児童福祉、母子福祉、災害救助、青少年健全育成など、住民生活に密着した多くの事務を扱う部署ではありませんか。こういう部門こそ、充実すべきであります。
以上の理由により、議案第1号に反対をいたします。
次に、議案第13号は使用料及び手数料条例の一部改正ですが、この中で、大豆・菜種の集荷業者の登録手数料を削除する部分は、さきの通常国会で、大豆・菜種交付金の算定方式が、これまでの不足払い制度から定額方式に変更されたことによるものです。大豆の価格と流通を市場原理にゆだね、現行の価格支持制度を大幅に後退させてしまうもので、到底認めることはできません。反対をいたします。
次に議案第23号、24号ですが、手賀沼及び江戸川左岸流域下水道、管渠築造工事の契約締結についてです。県は、三番瀬埋め立て計画の見直しで汚水量原単位や計画人口を大幅に修正し、処理すべき汚水量を半減させました。当然、終末処理場や管渠工事等の規模も見直すべきではありませんか。過大なままの工事発注には賛同できません。経済的で効率的な下水道計画を策定すべきとの立場から、本議案には反対をいたします。
次に議案第29号は、恩寵園の問題で提訴された沼田知事の裁判費用を県が負担しようとするものですが、判決結果はどう見ても知事の勝訴とは言いがたいこと、また、そもそも知事が適切な行政措置をとっていれば、この裁判は起こり得なかったことから、本議案に反対をいたします。
次に請願第61号、62号、67号、68号ですが、いずれも消費税の大増税に反対し、食料品非課税を国に求めるものです。本年7月14日、政府の税制調査会は、税の三重苦とも言うべき消費税の大増税、所得税の課税最低限の引き下げ、法人事業税の一律外形標準化など、重大な内容を打ち出しました。続いて9月には、武藤自民党税調会長が消費税は10%以上にと発言、10月には経団連が、2002年には消費税を25.5%にと、何と5倍強の大増税を試算発表するなど、急ピッチで消費税の大増税の計画が進められようとしています。しかし、実際、このように消費税が国の基幹税ともなれば、国民生活はいよいよ深刻な打撃を受け、消費の一層の低下、景気の悪化は避けられません。今行うべきことは増税ではなく、食料品の非課税を実現し、まずは消費を高め、暮らしを大もとから温めることです。これら四本の請願は、当然採択すべきことを強く訴えるものであります。
次に請願第64号は、18歳選挙権の早期実現を国に求めるものです。今やサミット参加国で18歳選挙権を実施していないのは日本だけであり、これはもう世界の大きな流れです。既に前総理の委託による「二十一世紀日本の構想」懇談会は、ことし1月に発表した報告書の中で、世界170カ国の92%、156カ国が18歳選挙権を実施しているとして、はっきりと日本でも実施をと明言しているではありませんか。何を今さら反対なさるのか、採択を強く求めるものです。
次に請願第66号は、30人以下学級の計画的実施と少人数学級検討会議の審議経過の公表を県に求めるものです。昨年、2月県議会が全会一致で「少人数学級を求める決議」を採択して、はや1年と9カ月。子供と教育の深刻な事態を前に、県民がこれらを願うのは当然ではありませんか。しかも、県当局が公開すると答弁しているにもかかわらず、議会が不採択にするとは何ということでしょうか。言語道断、県議会の良識が問われる重大問題としか言いようがありません。当然、採択すべきです。
最後に請願第70号は、激増する輸入農産物に対し、緊急輸入制限・セーフガードの発動を国に求めるものです。生鮮野菜の輸入激増で、ことし5月の野菜価格が10年来の最安値を記録し、農家は深刻な打撃を受けています。とりわけ野菜生産高全国1位の千葉県にとって、セーフガードの発動は緊急かつ切実な県民の願いです。ところが、文章表現もほとんど同じ県農協中央会からの請願第65号は採択で、農民運動千葉県連絡会からの請願第70号は不採択。こんなわけのわからない態度をとっていて、どうして県議会が良識の府と呼べるでしょうか。このような理不尽な主張にくみした方々の猛省を促し、採択を強く主張して、討論を終わります。(拍手)
|