「胸が痛いが、保険証がない」――命綱断ち切る政治は、変えよう
藤井=今井町診療所事務長
2009/03/14
県内のあちこちを駆け巡りながら、県政の転換を訴える毎日。この日行動を共にした今井町診療所(千葉県民主医療連合会)の事務長=藤井恵子さんから伺ったお話には胸が痛んだ。
☆3歳と4歳の孫を助けて 《国保のない子どもたち》
「『3歳と4歳の男の孫が病気なので医者に診せたいが、この孫たちには保険証がない。助けて欲しい』という、おじいさまからの訴えがあって、治療を受けて頂くことができるようにしました。《国民健康保険証の取り上げ》を巡る番組でテレビ局がこの事例を放映しました」「うちの診療所の電話が、テレビで流されたんでしょうね。その後で今度は、千葉県の九十九里町に住む男性からお電話を頂きました。電話番号を書きとめておられたのです。『胸が痛くて治療を受けたいが、保険証がない』と。」
☆九十九里町から千葉市へ「金はないが、診て欲しい」 《失業中の男性》
「九十九里の地元で医療が受けられるように私は、アドバイスや紹介はさせていただきました。いろいろ訳があったのでしょうか、結局うちの診療所まで、その方はお見えになったのですよ、わざわざ」「保険証がなく、全額自己負担する金はない、医者に行きたいほど胸が痛くて……ということで。連携をとって、何とか行政の方で生活の保障を出来るようにしていただきましたが……」こう言って、顔を曇らせた。
千葉市内の市営住宅で
「民医連の診療所があるってことは、本当に、最後の命綱ですね」――八田英之さんが、35年かけて全力投球されてきた仕事の大きさと、同時に、いま全国にこうした、医療のネットワ一クがあることの貴重さを、私は実感した。
どんな思いで、おじいさんが孫を抱いてかけつけたり、職を失った男性が駆け込んできたりしたことか。命がここで繋がったのだ。
そんな思いが頭を駆けめぐる中私は、福永=千葉市議そして藤井さんと並んで、千葉市内の市営住宅の皆さんに、県政の転換を訴えた。
☆夕暮れの団地でマイクをもつ河野泉医師の気迫
河野=市川市民診療所長
そして夕方は、市川市民診療所(千葉県民主医療連合会)の医師であり、明るい会の代表委員である河野泉先生と合流し、一緒に訴えた。全国1800の医療・福祉・介護の病院・施設をもつ民医連の事務局長として八田英之氏は頑張ってきたことを、共に仕事をしてきた仲間として河野泉先生は、熱く訴えられた。また、「今の千葉県の医療・福祉行政は、医師・看護士・ベッド数などが人口比で全国最低水準にあることにみられるように、極めて立ち遅れており、県政の転換で、千葉県民の命を守ろう」と呼びかけられた。
民医連のスロ一ガンは、そのまま地方自治体の仕事だ。「いつでも、どこでも、だれでもが医療を受けられる」千葉県にしなければ!市町村への国民健康保険への単独補助を県が打ち切り、全額ゼロに廃止したことは許されない。命綱を断ち切る政治は、変えなければ!そう強く実感した一日であった。
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