県議会閉会日 巨大事業を凍結し県民の命最優先の県政に−みわ由美県議が討論
2月千葉県議会閉会日、みわ由美県議が討論に立ち、巨大事業を凍結しコロナ対策強化など県民の命最優先への県政転換を求めました。しんぶん赤旗報道記事と討論全文を紹介します。
「しんぶん赤旗」3月29日付け【首都圏】(13面)から転載↓
命最優先に転換を
千葉県予算案 みわ氏が反対討論
千葉県予算案 みわ氏が反対討論
千葉県議会は18日閉会し、熊谷俊人知事提出の全108議案が可決しました。日本共産党は新年度予算案など45議案に反対し、みわ由美県議が討論しました。
みわ氏は新年度一般会計予算について、県内416ヵ所の薬局などでのPCR等検査無料化事業などが計上されておらず、大規模検査が極めて不十分だと指摘。「地域医療構想」により2022年度末までの3年間で県内10病院の合計254床の削減計画の撤回と、干葉港や北千葉道路など巨大開発を凍結・圧縮し保健所や医療提供体制の強化で、命最優先の県政への転換を求め議案に反対しました。共産党以外の全会派は賛成しました。
国民健康保険事業について、県は前年度比2,843円値上げの11万4,579円の新年度の平均標準保険料を提示。みわ氏は「4年連続の値上げだ。県が値上げの旗振り役になるなど断じて許されない」と反対しました。
みわ氏は「消費税増税による負担増にコロナ危機の追い打ちで、暮らしも営業も限界を超えている」と強調。国に消費税率5%への引き下げの意見書提出を求める請願の採択を求めましたが、自民、公明などの反対で不採択となりました。
討論全文↓
日本共産党を代表し、議案、請願の主なものについて討論を行います。
まず議案第1号新年度一般会計予算案についてです。コロナ危機から、なにより命、暮らし、地域経済を守ることこそ自治体の最大の責務です。その立場から今議会で、わが党は、本予算案全体の1%に満たない0.95%約206億円程度のくみかえを緊急提案しました。
その上で第一に指摘しなければならないのは、コロナ対策とりわけ感染拡大を防ぐために必要な、無症状者に対する大規模検査が極めて不十分だということです。
本予算案には、いま実施中の県内416か所の薬局などでのPCR等検査無料化事業も、高齢者・障害者施設での定期頻回検査も、計上されていません。東京都で2月から実施しているような全学校、幼稚園、保育園、学童等での希望する全職員対象の週一回検査事業も、再三求めましたが、全くやる気がありません。
新規感染は高止まり、クラスタ一も止まらないのに、なぜ検査を大幅に縮小するのか、県民からは疑問と不安の声が寄せられています。感染が減少傾向のときこそ、大規模検査と感染者の保護で、徹底して感染拡大を抑え込む、専門家らが繰り返し強調している感染症対策の基本に立つことを強く求めます。
第2は、保健所や医療提供体制の脆弱さが益々深刻化することです。
コロナ感染者の死者数は、第5波の3か月間292名を遥かに超える倍の速さで、531名もの方が第6波の2か月半で亡くなられました。自宅療養中に自宅で心肺停止となり、救急搬送先の医療機関で死亡が確認された方が、第6波だけで24名と深刻です。
ところが県は、対策の先頭にたつ県保健所を13ケ所に削減したままで何度求めても増設の検討すらせず、保健師増員は新年度、全県で僅か10名程度に抑え、増え幅は今年度当初よりも少なくしています。県が大量の応援を送り込んでもなお人手不足で、過労死ライン超えの働き方も一層深刻の度を増し、疫学調査や自宅療養者への支援が十分届かず、これ以上の放置は許されません。県の責任は重大です。
また県は、国がコロナ前に策定した「地域医療構想」、医療費抑制のため2025年までに20万床もの病床を急性期中心に削減する構想に従い、県内で、高度急性期969床と急性期5763床の計6732床も減らす計画だ、という事が、委員会質疑で判明しました。しかも国は、病床を減らした医療機関に消費税を財源とした給付金を出すとしています。
県では、新年度を含む3年間で県内10病院に高度急性期42床、急性期167床、慢性期45床の計254床の削減とひきかえに、4億1473万円を支給する計画です。すでに今年度までに160床削減されます。社会保障の為などと言って国民から集めたおカネを使い、コロナ禍に無理やり病床減らしや機能変更を迫るなど、絶対にやってはいけないことです。
県は、国が2年後にコロナも勘案して計画見直しをする等と言い訳けしますが、いま国言いなりに急性期等を減らす、これでは命も守れません。今でも不足の医療従事者の大幅削減にもつながりかねずキッパリ撤回することを強く求めます。
第3は、その一方で、千葉港や北千葉道路など大型道路や巨大開発には、森田知事時代と同じく巨額の予算が投入されていることです。
目的や必要性についても厳しく指摘をしてきましたが、新年度は、巨大事業の凍結見直し圧縮で、コロナ対策や県民の命を守ることに集中する。命最優先へ、県政運営の転換を重ねて求め、1号議案に反対します。
議案第9号は、新年度の国民健康保険事業予算です。国保財政の「都道府県化」で2018年度から県が毎年、平均標準保険料を示していますが、新年度は11万4579円で前年度比2843円の値上げです。最高額は鋸南町で一人9160円、次が九十九里町で4997円、南房総市など、県内の8割を超える45市町での値上げを提示しています。コロナ禍にもかかわらず4年連続で総額13448円も、県が値上げの旗振り役になるなど、断じて許されません。よって本議案に反対します。
議案第62号は、社会教育委員条例を廃止し、社会教育委員の会議を生涯学習審議会に統合しようとするものです。そもそも生涯学習審議会は、生涯学習振興整備法に基づき、社会教育委員会議は社会教育法によって設置されています。これらの法に基づけば、生涯学習審議会は県の処理する事務に関し調査審議を行い、社会教育委員は教育委員会に助言をし、教育委員会に出席して意見を述べると、果たすべき役割は明確に違っており、統合する根拠などどこにもありません。
加えて、常任委員会の審議を通じて、県教委の条例や規則からの逸脱、恣意的で強引な行政運営の実態も明らかになりました。生涯学習審議会委員の任命も、社会教育委員の委嘱も、条例上必置義務とされています。ところが前期委員の任期が11月に終了しているにもかかわらず、2か月も空白状態となっていました。明らかに条例からの逸脱です。さらに1月の教育委員会会議で生涯学習審議会委員の任命だけが行われ、条例の廃止を前提にして、社会教育委員の委嘱は行われませんでした。社会教育委員条例が存在していたにもかかわらず委嘱すらしていないとは、県教委の不作為責任との誹りは免れないでしょう。条例改正を議案として上程する前に、少なくともそれぞれの審議会、会議に諮問し意見を聞くべきではありませんか。こんな上意下達の行政運営を認めるわけにはいきません。
最後に、請願第50号は、国に消費税率5%への引き下げの意見書提出を求めるものです。
二度の消費税増税による負担増の上にコロナ危機が追い打ちをかけ、医療・福祉の負担増、収入減による家計消費落ち込み、年金減額など、もはや暮らしも、営業もとっくに限界を超えています。消費税の減税は待ったなしです。大企業や富裕層に応分の負担を求める税制改革こそ、いま求められています。
世界では76の国・地域が消費税に当たる付加価値税の減税に踏み出し、税率を引き下げた国は国連加盟国の43%を超えています。 日本でできないはずはありません。いまこそ消費税5%への減税に踏み出し、苦境に立つ国民を支える政治に転換すべきです。議場の皆様のご賛同をつよく訴え、本請願の採択を求めます。以上で、討論を終わります。
まず議案第1号新年度一般会計予算案についてです。コロナ危機から、なにより命、暮らし、地域経済を守ることこそ自治体の最大の責務です。その立場から今議会で、わが党は、本予算案全体の1%に満たない0.95%約206億円程度のくみかえを緊急提案しました。
その上で第一に指摘しなければならないのは、コロナ対策とりわけ感染拡大を防ぐために必要な、無症状者に対する大規模検査が極めて不十分だということです。
本予算案には、いま実施中の県内416か所の薬局などでのPCR等検査無料化事業も、高齢者・障害者施設での定期頻回検査も、計上されていません。東京都で2月から実施しているような全学校、幼稚園、保育園、学童等での希望する全職員対象の週一回検査事業も、再三求めましたが、全くやる気がありません。
新規感染は高止まり、クラスタ一も止まらないのに、なぜ検査を大幅に縮小するのか、県民からは疑問と不安の声が寄せられています。感染が減少傾向のときこそ、大規模検査と感染者の保護で、徹底して感染拡大を抑え込む、専門家らが繰り返し強調している感染症対策の基本に立つことを強く求めます。
第2は、保健所や医療提供体制の脆弱さが益々深刻化することです。
コロナ感染者の死者数は、第5波の3か月間292名を遥かに超える倍の速さで、531名もの方が第6波の2か月半で亡くなられました。自宅療養中に自宅で心肺停止となり、救急搬送先の医療機関で死亡が確認された方が、第6波だけで24名と深刻です。
ところが県は、対策の先頭にたつ県保健所を13ケ所に削減したままで何度求めても増設の検討すらせず、保健師増員は新年度、全県で僅か10名程度に抑え、増え幅は今年度当初よりも少なくしています。県が大量の応援を送り込んでもなお人手不足で、過労死ライン超えの働き方も一層深刻の度を増し、疫学調査や自宅療養者への支援が十分届かず、これ以上の放置は許されません。県の責任は重大です。
また県は、国がコロナ前に策定した「地域医療構想」、医療費抑制のため2025年までに20万床もの病床を急性期中心に削減する構想に従い、県内で、高度急性期969床と急性期5763床の計6732床も減らす計画だ、という事が、委員会質疑で判明しました。しかも国は、病床を減らした医療機関に消費税を財源とした給付金を出すとしています。
県では、新年度を含む3年間で県内10病院に高度急性期42床、急性期167床、慢性期45床の計254床の削減とひきかえに、4億1473万円を支給する計画です。すでに今年度までに160床削減されます。社会保障の為などと言って国民から集めたおカネを使い、コロナ禍に無理やり病床減らしや機能変更を迫るなど、絶対にやってはいけないことです。
県は、国が2年後にコロナも勘案して計画見直しをする等と言い訳けしますが、いま国言いなりに急性期等を減らす、これでは命も守れません。今でも不足の医療従事者の大幅削減にもつながりかねずキッパリ撤回することを強く求めます。
第3は、その一方で、千葉港や北千葉道路など大型道路や巨大開発には、森田知事時代と同じく巨額の予算が投入されていることです。
目的や必要性についても厳しく指摘をしてきましたが、新年度は、巨大事業の凍結見直し圧縮で、コロナ対策や県民の命を守ることに集中する。命最優先へ、県政運営の転換を重ねて求め、1号議案に反対します。
議案第9号は、新年度の国民健康保険事業予算です。国保財政の「都道府県化」で2018年度から県が毎年、平均標準保険料を示していますが、新年度は11万4579円で前年度比2843円の値上げです。最高額は鋸南町で一人9160円、次が九十九里町で4997円、南房総市など、県内の8割を超える45市町での値上げを提示しています。コロナ禍にもかかわらず4年連続で総額13448円も、県が値上げの旗振り役になるなど、断じて許されません。よって本議案に反対します。
議案第62号は、社会教育委員条例を廃止し、社会教育委員の会議を生涯学習審議会に統合しようとするものです。そもそも生涯学習審議会は、生涯学習振興整備法に基づき、社会教育委員会議は社会教育法によって設置されています。これらの法に基づけば、生涯学習審議会は県の処理する事務に関し調査審議を行い、社会教育委員は教育委員会に助言をし、教育委員会に出席して意見を述べると、果たすべき役割は明確に違っており、統合する根拠などどこにもありません。
加えて、常任委員会の審議を通じて、県教委の条例や規則からの逸脱、恣意的で強引な行政運営の実態も明らかになりました。生涯学習審議会委員の任命も、社会教育委員の委嘱も、条例上必置義務とされています。ところが前期委員の任期が11月に終了しているにもかかわらず、2か月も空白状態となっていました。明らかに条例からの逸脱です。さらに1月の教育委員会会議で生涯学習審議会委員の任命だけが行われ、条例の廃止を前提にして、社会教育委員の委嘱は行われませんでした。社会教育委員条例が存在していたにもかかわらず委嘱すらしていないとは、県教委の不作為責任との誹りは免れないでしょう。条例改正を議案として上程する前に、少なくともそれぞれの審議会、会議に諮問し意見を聞くべきではありませんか。こんな上意下達の行政運営を認めるわけにはいきません。
最後に、請願第50号は、国に消費税率5%への引き下げの意見書提出を求めるものです。
二度の消費税増税による負担増の上にコロナ危機が追い打ちをかけ、医療・福祉の負担増、収入減による家計消費落ち込み、年金減額など、もはや暮らしも、営業もとっくに限界を超えています。消費税の減税は待ったなしです。大企業や富裕層に応分の負担を求める税制改革こそ、いま求められています。
世界では76の国・地域が消費税に当たる付加価値税の減税に踏み出し、税率を引き下げた国は国連加盟国の43%を超えています。 日本でできないはずはありません。いまこそ消費税5%への減税に踏み出し、苦境に立つ国民を支える政治に転換すべきです。議場の皆様のご賛同をつよく訴え、本請願の採択を求めます。以上で、討論を終わります。