日本共産党 千葉県議会議員 みわ由美

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活動紹介


守れた命なぜ 緊急申し入れ

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 なぜ命が救えなかったか。千葉県野田市で犠牲になった小学4年生の女児、児童虐待死。2月4日朝、日本共産党千葉県議団として、森田県知事と横山県健康福祉部長宛に緊急申し入れをした。悲劇断ち切る真剣な対策を、再発防止を!繰り返される悲劇なぜ。

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「しんぶん赤旗」2月5日付け「主張」(児童虐待死/悲劇断ち切る真剣な対策を) ←こちらもクリックしてご覧ください。

緊急申し入れ(全文)↓
野田市の「虐待死亡事件」についての緊急申入れ
千葉県知事 森田健作 様
健康福祉部長 横山正博 様
2019年2月4日 日本共産党千葉県議会議員団


 野田市の小学4年女児が死亡した「虐待事件」は、県民に衝撃を与え、大きな悲しみと憤りをよぶとともに、この事件をめぐる行政の対応に対する強い不信感を抱かせている。父親から受けていた「いじめ」「暴力」からの助けを求めていた少女の命がなぜ救えなかったのか、県をはじめとする関係機関がそれぞれ検証を深め、このような事件を二度と繰り返させないための対策を講じることは当然である。
 極めて重大なのは、県児童相談所が関わった事案でありながらまたもや子どもの命が奪われたことである。県の責任はとりわけ厳しく問われていると言わなければならない。

 第一は、一時保護解除の判断が適切だったのかという、事態の重大性、緊急性に関わる認識である。
 一家が沖縄県糸満市に居住していた時に父親による母親へのDVを疑う情報などがあり、母親の親族から糸満市に対して女児が「恫喝を受けている」という相談もあった。
 2017年8月、一家は野田市に転居し、11月に虐待が疑われる右ほおのあざが見つかり、市職員に対して「お父さん怖い。背中や首をたたく。顔をグーで殴られる」と本人からの訴えがあり、一時保護された。しかし父親は、その後の8回におよぶ面談で虐待を否定しており、母親も「よくわからない」と答えるなど事実が明らかになっていない。
 母親からの聞き取りの中で、父親による自らへのDV被害を訴えていたことを児相は認識していた。にもかかわらず、12月27日に親族宅から登校することを条件に保護解除を認め、2018年2月26日には父親が「自宅に連れて帰る」と話し、児相も了承した。
 市原市の事例を受けて出された2018年5月の第4次答申では、「家庭復帰の際には、復帰する家族全体の生活歴等を詳細に把握する」「背景にDVが存在する場合には母単独での面接により、状況を正確に把握する」などの改善策が示されているが、それらが生かされていない。

 第二は、一時保護解除後、なぜ児相も学校も一度も家庭を訪問しなかったのか、対応が学校まかせになっていたのではないか、という点である。
 児相は「もともと虐待の程度は小さかった。基本的には学校での見守りが中心だった」「学校で(女児の)状況をある程度把握できるだろうと考えた」と話しており、学校まかせの対応であったと言わざるを得ない。
 2018年9月の長期欠席に続き、2019年1月には「家族で沖縄にいる。1月いっぱいまで沖縄にいたいので15日から登校させる」、その後「曾祖母の調子が悪い。2月4日から登校させる」という父親からの連絡により学校を休んでおり、学校も本人の様子を確認できない状況だったにもかかわらず、児相として21日に連絡を受けた後も家庭訪問などの対応をしていない。
 県の虐待対応マニュアルでは、在宅復帰にあたっては「在宅における援助で第一に留意すべきことは虐待の再発予防である」と指摘し、在宅指導の条件として「家庭内にキーパーソンとなりうる人がいる(少なくとも面接等により信頼できる人物であると判断できる)」「保護者が定期的に相談機関に出向くか、児童相談所職員等の、援助機関の訪問を受け入れる姿勢がある」ことをあげている。
 また在宅による援助の留意点では「在宅による援助ケースと判断した場合でも、子どもや家庭の状況は日々刻々変化するものであると認識することが必要」「保護者があれこれと理由をつけて子どもに会わせないなどして、関係する機関が子どもの状態を直接把握できない事態が続く場合は、悪い兆候として捉え、強制的な介入を検討しなければならないという視点が必要である」と指摘している。今回の対応において、過去の事例から教訓として導き出された虐待対応マニュアルが生かされていなかったことは明らかである。

 第三は、野田市の要保護児童対策地域協議会、警察など関係機関との連携、情報共有である。
 報道によれば自宅周辺の住民から「うるさいんだよ。お前は」「死ね」「殺してやる」などの男の怒鳴り声や「お母さん怖いよ」と泣き叫ぶ女の子の声、何かをたたく音を聞いたという声が上がっている。女の子を屋外に立たせていたという報道もある。児相はこうした状況をつかんでいなかった。
 学校や市、警察との情報共有、連携が図られていればこうした状況がつかめていた可能性は高い。児相は「DVなど潜在的なリスクがあった」と認めているが、学校とはリスクを共有しておらず、学校は「今回も元気に登校してくると信じていた」と話している。

 わが党は、これらの問題点を県が重く受け止め、再発防止にむけた対策を抜本的に強化するよう、下記の事項を緊急要望するものである。


1.第三者検証委員会での検証待ちにならず、県として関係部署による速やかな検証を行い、その結果を公表すること。

2.「虐待から命を守る」という確固とした姿勢を確立し、過去の教訓を生かして一時保護および解除のあり方を見直すこと。

3.関係機関による虐待に関する情報共有、連携の改善を図ること。

4.現在進めている児童相談所の職員増員の前倒しなど抜本的な人員体制の拡充と、職員研修の充実を図ること。

以上


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