日本共産党 千葉県議会議員 みわ由美

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活動紹介


議員発議「県文化芸術の振興に関する条例」制定について−9月定例県議会 みわ由美県議の質疑

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 9月定例県議会で、みわ由美県議は9月28日、日本共産党を代表して議員発議の「千葉県文化芸術の振興に関する条例」制定に関して質疑に立ちましました。第一回目の質問(全文)を紹介します。

 日本共産党のみわ由美です。発議案第1号「千葉県文化芸術の振興に関する条例」の制定について、党を代表し、質疑します。

 「文化・芸術」は、人々に生きる勇気を与え、心豊かな暮らしに欠くことができないものです。文化を創造し享受することは国民の権利であり、振興はきわめて重要です。発議案が、その一助となることが期待されており、文化芸術の振興を願う県民誰もが、歓迎できる条例が制定されることが望ましいと思います。
 その立場から伺いますが、最初に発議案は、基本理念で、表現の自由、自主性、創造性や専門性の十分な尊重、地位向上を明記し、同時に、県民が等しく文化芸術を鑑賞し参加し、又は創造できるような環境の整備を義務づけています。いずれも重要であり、わが党も賛同できるものです。

 しかし残念ながら、発議案には、問題点が含まれていることを指摘せざるを得ません。 最も問題だと思うのは、前文の最後にある記述、「私たちは、郷土への誇りと愛着を深め、先人が創りあげた文化の継承と新たな創造を決意し、この条例を制定する」この、「郷土への誇りと愛着を深め」という部分です。そもそも文化芸術を振興することと、「郷土への誇りと愛着を深め」ることは、全く別のことがらです。
 そこで伺います。そもそも「郷土への誇り」を持つかどうか、「郷土への愛着を深め」るかどうかは、一人ひとりの心の問題であり、自由ではありませんか。お答え下さい。

 また発議案では、「心豊かな県民生活に寄与」することを、文化芸術の振興の「目的」にするとしていながら、なぜ、わざわざ特定の徳目、価値観を、条例に盛り込むのでしょうか。理解に苦しみます。
 「郷土への誇り」「郷土への愛着」という、心の問題に関することがらを、条例に書き込むということは、行政が、公が、心の中に立ち入ることになるのではありませんか。お答え下さい。

 しかも、「郷土への誇りと愛着を深め」等という記述は、文化芸術基本法にも、県の第2次文化芸術振興計画にもないものです。なぜ、これを入れたのですか。伺います。
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 今年7月に行なった条例案へのパブリックコメントでも、基本法にない「郷土への誇りと愛着」の差し替えを求める意見が寄せられています。これに対して条例検討委員会は「その地域の特性に応じた施策」との考えを示していますが、しかし、だからと言って、内心の自由に抵触する事項を、条例に書き込んでいいとはなりません。何を誇りに思うか、何を愛するかというのは、個人の精神の、最も自由な領域に属するものであり、条例などで規定したり、規制したりしてはならないものです。
 結局、「郷土への誇りと愛着を深め」との文言がある限り、特定の価値観を強いることになり、憲法が定めた「内心の自由」を脅かすことになると思いますが、見解を伺います。
 よって、条例から削除すべきです。お答え下さい。

 次に、懸念すべき点についても指摘し、伺います。条例案の基本理念や第5条では、文化芸術に関する施策の推進にあたって、「産業との有機的な連携」や「民間事業者との相互連携、その能力の活用」が述べられています。一見すると何の問題もないように思えるかもしれませんが、文化・芸術をめぐる最近の国の動向を、注視する必要があるのではないでしょうか。国の骨太方針2018では「稼ぐ文化への展開、文化産業の経済規模の拡大」が打ち出され、2016年に策定された「明日の日本を支える観光ビジョン」でも、「文化財を保存優先」から「観光拠点」として「活用へ」とするなど、ことさら文化を経済活動と結びつける方向が強調されています。この条例案にも、産業や利潤追求が使命の、民間事業者が位置付けられており、県条例案によって、文化芸術が本来の目的とちがう、「儲け」優先の方向にゆがむのではないか、との疑念は拭い去れません。
 そこで伺いますが、文化芸術活動というのは、観光や産業に役立つのか、利潤を生みだすのか、そうした事とは関係なく行われるものです。そう思いませんか。お答え下さい。

以上で、第一回目の質問といたします。


この質疑全体の録画は→ここをクリックして ご覧ください。
(千葉県議会の「インターネット中継ページ」/平成30年9月定例会/9月28日(金)「本会議一般質問」/発議案第1号に対する質疑より)

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