千葉の国保広域化事例がしんぶん赤旗で報道されました。
前記事「守れ命 国・県の公的負担で払える保険料に・・・」で紹介した国保の広域化による懸念が、千葉県の事例として「しんぶん赤旗」6月19日付けに報じられました。その記事を転載紹介します。
千葉県では、昨年10月、県国保運営協議会(小賀野晶一会長、14人)が設置されました。今回の協議会は1月、3月に続く3回目。次回は8月。
「広域化」方針案では県は新たに国保特別会計を設置。市町村も保険者として、保険料の決定・徴収などを担います。
「広域化」に伴って県は、財政運営の主体となり、各市町村が県に納める納付金を市町村に割り当てます。市町村は、県が示す標準保険料率を参考に、保険料を決め、住民から徴収した保険料を財源として納付金を納めます。
国保料の住民負担を軽減するために、多くの自治体が実施している市町村国保会計への一般会計からの法定外繰り入れについては「計画的な解消・削減」をうたい、医療費給付抑制を打ち出しています。その一方で「保険料の適切な納付」を加入者の役割とし、徴収強化の方向です。
県運営協議会では日本共産党の寺尾賢、丸山慎一、三輪由美の各県議が傍聴。寺尾県議は「今回、法定外繰り入れの解消・削減方針とともに、標準保険料率にかかわる仮計算の概要が示されました。仮計算では市町村ごとの数字は明示されなかった一方で、54市町村で最大2万3480円になる値上げとなっています。国保の構造問題をそのままに、住民と自治体にいっそうの負担を押し付けるという広域化の本質を示している」と話します。
三輪県議は「法定外繰り入れについて『解消・削減に努める』としています。解消・削減ということになると、国保料の大幅アップが予想されます。これ以上の住民負担を許さず、国保料を引き下げる方向で力を尽くしたい」といいます
柏市議会で、一般会計からの法定外繰り入れとその増額をくりかえし求めてきた、日本共産党の日下みや子市議は「方針案は、法定外繰り入れの抑制・解消が基調となっています。住民負担が大きくなるのではと危惧します。国保料の引き下げを求める声を強く大きくする運動を住民の方たちとともに、広げていきたい」と話します。
社会保障推進柏市協議会は26日午後2時から、柏駅東口で国保を含む社会保障の充実を求める行動を繰り広げます。
都道府県へ運営移行 国保料どうなる
法定外繰り入れ抑制で大幅値上げの懸念
「高すぎる国民健康保険料(国保料)」が問題となるなか、国民の運営主体が来年4月、市町村から都道府県に移行(広域化=都道府県化)します。現在、移行作業が進行中です。5月30日に県国保運営協議会が開かれた千葉県の事例をみました。(徳永慎二)千葉県の事例は |
千葉県では、昨年10月、県国保運営協議会(小賀野晶一会長、14人)が設置されました。今回の協議会は1月、3月に続く3回目。次回は8月。
「広域化」方針案では県は新たに国保特別会計を設置。市町村も保険者として、保険料の決定・徴収などを担います。
「広域化」に伴って県は、財政運営の主体となり、各市町村が県に納める納付金を市町村に割り当てます。市町村は、県が示す標準保険料率を参考に、保険料を決め、住民から徴収した保険料を財源として納付金を納めます。
仮計算では最大2万円余値上げ
納付金算定のための国の統一システムを使った県の試算によると、保険料が上がるのは29市町村。下がるのは25市町村。増加額の最大が2万3480円、減少額の最大は2万6420円。しかし、各市町村の保険料は明らかにされていません。(表参照)保険料(税)が増加する市町村 | 29団体 |
1万円以上 | 11団体 |
5千〜1万円 | 8団体 |
0〜5千円 | 10団体 |
保険料(税)が減少する市町村 | 25団体 |
▼0〜5千円 | 7団体 |
▼5千〜1万円 | 8団体 |
▼1万円以下 | 10団体 |
国保料の住民負担を軽減するために、多くの自治体が実施している市町村国保会計への一般会計からの法定外繰り入れについては「計画的な解消・削減」をうたい、医療費給付抑制を打ち出しています。その一方で「保険料の適切な納付」を加入者の役割とし、徴収強化の方向です。
県運営協議会では日本共産党の寺尾賢、丸山慎一、三輪由美の各県議が傍聴。寺尾県議は「今回、法定外繰り入れの解消・削減方針とともに、標準保険料率にかかわる仮計算の概要が示されました。仮計算では市町村ごとの数字は明示されなかった一方で、54市町村で最大2万3480円になる値上げとなっています。国保の構造問題をそのままに、住民と自治体にいっそうの負担を押し付けるという広域化の本質を示している」と話します。
三輪県議は「法定外繰り入れについて『解消・削減に努める』としています。解消・削減ということになると、国保料の大幅アップが予想されます。これ以上の住民負担を許さず、国保料を引き下げる方向で力を尽くしたい」といいます
国の支出金減で保険料は急上昇
傍聴した社会保障推進柏市協議会の新山晴美会長は「『都道府県化』で今後の国保料がどうなるか、市民の関心は高い。しかし、県は市町村の国保料を示さず、公表を遅らせているの、というのが率直な感想です。”加入者は国保制度維持のために保険料を納付せよ"というが、この30年間、国が国保に使うお金を減らし続けてきたことこそ問題で、国庫負担の大幅増が必要だ」といいます。実際、国保の総収入に占める国庫支出金の割合は、1980年度57.5%が、2009年度には24.7%にまで減少。「高すぎる国保料」の原因となっています(表下)。加入者の貧困化も進み、国保財源の構造的な問題となっています。柏市議会で、一般会計からの法定外繰り入れとその増額をくりかえし求めてきた、日本共産党の日下みや子市議は「方針案は、法定外繰り入れの抑制・解消が基調となっています。住民負担が大きくなるのではと危惧します。国保料の引き下げを求める声を強く大きくする運動を住民の方たちとともに、広げていきたい」と話します。
社会保障推進柏市協議会は26日午後2時から、柏駅東口で国保を含む社会保障の充実を求める行動を繰り広げます。
国保加入世帯の平均所得と1人当たり保険料
年度 | 加入世帯の平均所得 | 1人当たり保険料 |
1984年度 | 179万2000円 | 3万9020円 |
85年度 | 186万8000円 | 4万3357円 |
90年度 | 240万5000円 | 6万2092円 |
95年度 | 230万8000円 | 7万 620円 |
2000年度 | 197万5000円 | 7万9123円 |
05年度 | 168万7000円 | 8万 352円 |
06年度 | 166万7000円 | 8万2580円 |
07年度 | 166万9000円 | 8万4367円 |
08年度 | 168万円 | 9万 625円 |
09年度 | 158万円 | 9万 908円 |
(出典)『国民健康保険実態調査報告』『国民健康保険事業年報』各年度版
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